宮総実環境班が「未来開拓賞」/日本水大賞
日本そばの栽培研究を評価
宮古総合実業高校(下地廣治校長)の環境班が第13回日本水大賞の「未来開拓賞」を受賞し30日、同校校長室で報告会を開いた。環境班の日本水大賞での受賞は、2004年の大賞以来7年ぶり。全国157団体の中から、選ばれた。表彰式は21日に東京都の日本科学未来館で行われ、池城ひかり班長(3年)らが出席した。
環境班の研究テーマは「小さな宮古島の100年後の『命の水』と『食』を守るプロジェクト」。サトウキビ収穫後の畑に日本そばを植えて、地下水汚染の原因とされる残留窒素を吸収させる研究を10年来続けてきた。
審査講評は「地下水の水質改善と日本そばというこの地域での新しい食材の開発とを結びつけた環境問題と農家支援、そして地域活性化への取り組みが、より広く普及することを大いに期待している」と述べている。
下地校長は「新しい分野での研究が認められて、受賞できたことをうれしく思う。水や食をどう守っていくか。住む島に強い思いを持って進めてきた研究は素晴らしい」と祝福した。
表彰式に出席した池城班長は「受賞はうれしい。しかし、課題も見つかっている。これからも研究や発表を頑張って、後輩につなぎたい」と満面の笑み。
宮國裕貴君(3年)は「発表の際は緊張したが、賞を受け取った時は実感がわいた」と受賞を素直に喜んだ。
副班長の根間利菜さん(3年)は「7年前には先輩が大賞を取った。今度は私たちが後輩につながなければならない」と研究の継続へ思いを込めた。
環境班による地下水保全の研究は前里和洋教諭を顧問に、有機質肥料「バイオ・リン」の研究から始まった。同研究は、取り組みに一石二鳥の効果(保全と経済性)を持たせるために日本そば栽培に発展。前里教諭によると、そばは10㌃から80~100㌔を収穫でき、地下水の窒素濃度をかなり減らせる試験結果が出ているという。