2社が計3000万円未納/市有地貸付賃貸料
十数年に渡り滞納/市議会6月定例会一般質問
宮古島市から港湾施設内市有地の貸付を受けている業者2社が、十数年に渡って賃貸料を滞納していて、2009年度末現在、未納総額が約3000万円にも上ることが明らかになった。開会中の市議会6月定例会一般質問で1日、友利悦裕建設部長が新里聡氏の質問への答弁の中で現状を説明。今後、市では滞納額全額の支払い請求を含めた法的手続きを進める考えだが、時効により全額の回収ができない可能性もある。
滞納している業者2社(A社、B社)はいずれも造船業者で、平良港下崎地区にある市有地のうちA社3170平方㍍、B社は3693平方㍍を1990年から借りて業務を行っている。賃貸料はA社が月9万5100円、B社は月11万790円。滞納が始まったのはA社が94年、B社は96年からで、途中何度かの入金はあったものの滞納額は膨れ上がり、09年3月末現在で2社合わせ3155万円となった。
未納期間中の市の対応について友利部長は、両社に対し納付書は送付していたものの、督促状は10年度になって初めて送っていて。それまでは一度も送付していなかったことも明らかにした。それに対し新里氏は「歴代の担当課長の怠慢といえる」と対応の不十分さを批判した。
市では現在、滞納額全額の支払いを求める法的手続きに向けた準備を進めていて、市議会9月定例会に同案件の訴えの提起についての議案を提出する方針。
地方自治法では普通地方公共団体の権利は原則、5年間で時効により消滅すると定められている。今回の滞納による収入未済額の一部消滅の可能性について友利部長は「これからの法的手続きの中で明らかになってくると思う」とした上で、市としてはあくまで全額の支払いを求めていく考えを示した。