「鮮度に大きく影響しない」/マンゴー船舶輸送試験結果
県宮古農林水産振興センターなど農業関係5機関は4日、2~4日にかけて実施したマンゴーの「船舶・航空複合輸送シミュレーション試験」の結果を報告した。同試験は宮古-那覇間を船で冷温輸送し、那覇から宮古(本土に見立てた場所)に飛行機で送り返す方法で実施。試験結果は「那覇-宮古間を船舶輸送に置き換えても、鮮度などには大きく影響しない」と結論付けた。一方、戻って来た箱の中の果実の並びが崩れ見た目が悪くなっていたため「箱詰めには十分な注意が必要」としている。
従来、飛行機で輸送されているマンゴーについては2009、10年の出荷ピーク時に、積み残しが発生し対策が求められていた。県は昨年6月に、今回と同様な試験を行い「船舶・航空複合輸送は、従来の航空輸送と同等の熟度で消費地に到着可能」などと報告していた。
今回の試験は、船便輸送が今週から、週に1回土曜日(9、16、23日)に行われるのを前に、実際の輸送過程で問題がないかどうかを確認する目的で実施した。
到着時の熟度の基準は表皮全体にワックスが発生する食べごろを最高の「5」ランクに設定。以下「4」「3」「2」「1」と5段階に分けた。A例(6個詰め箱)、B例(5個詰め箱)ともに熟度は5以下となり、品質面で問題はなかった。船舶輸送の積み降ろしが順調に行ったことも、写真で紹介した。
ある農家は収穫日を表皮に記して船積みした。収穫日は6月29、同30、7月1、同2日。戻って来たマンゴーは、食べごろの「5」が2個、「4」ランクが3個と、収穫から6日たっても品質に影響がないことが分かった。
今期のマンゴー出荷は、500㌧を見込んでいる。ピーク時の出荷量は1日22㌧で、航空輸送可能量は18~20㌧。1日に積み残しは2~3㌧出るとみられ、月~金曜日までの積み残し分の12~18㌧(航空輸送の約半日~1日分)は、土曜日に平良港を出港する南西海運の「せつ丸」に積んで処理する。