平良港防災対策協が発足
GPS波浪計など設置検討
東日本大震災を受け、宮古地区でも地震・津波に対するシステムと体制の構築が早急に必要なことから、港湾に関係する官民の代表で構成する「平良港地震・津波防災対策検討協議会」が6日、発足した。平良港ターミナルビルで行われた第1回目の会合では同震災を受けた政府の検討状況報告のほか、平良港においても今回の大震災で有効さが確認されたGPS波浪計の設置や、より強固な津波防波堤の必要性などが意見として出された。
東日本大震災を受け、国土交通省港湾分科会防災部会において現在、港湾における総合的な津波対策のあり方が検討されている。
宮古でも港湾に関係する官民の関係機関が一堂に会して広域的に連携し、ハードやソフトを含む総合的な津波対策方針を取りまとめることを目的に同協議会が設置された。
協議会の下に作業部会が設けられるほか、運営のために沖縄総合事務局平良港湾事務所に事務局が設置された。
県内では宮古、石垣、沖縄本島(2カ所)の4カ所で同協議会が設置される。
総合的な津波対策案の検討に向けては、委員から今回の震災でも効果が確認され、より早い情報収集と住民への津波情報の提供のためにもGPS波浪計を設置する必要性が訴えられた。
GPS波浪計は、沖合20㌔㍍程度に設置する波浪計で、波高などを観測する機器。津波観測では陸上到達10分前に観測できる。
そのほか、今回の震災でその効果が大きかったことが報告された津波防波堤についても設置が要望された。
津波防波堤の効果としては、津波高の低減、到達速度の遅延、破壊力の低減に効果があるとしている。
GPS波浪計や津波防波堤について、平良港湾事務所の小早川弘所長は「平良港の防波堤は台風を想定して建設されている。より強固に津波も想定した構造にする検討も必要。また、GPS波浪計についても設置場所の選定など検討していく必要がある」と述べた。
同協議会は、今後行われる有識者の検討会などで示される方針などを受け、第2回会合を今年度内に行い平良港における総合的な津波防災対策の基本的な考え方を取りまとめる。
離島の宮古圏域においては生活物資の約99%が平良港から入ることから、災害時においても平良港の機能を確保するための対策について委員がそれぞれの立場から活発に意見を出し合った。