自分を表現できる道具見つけて/PTA指導者研修会
加藤さん(元パラリンピック日本代表)が講演
宮古島市PTA指導者研修会(主催・市教育委員会)が9日、下地農村環境改善センターで開かれた。講師は、宮古島在住で元パラリンピック日本代表選手の加藤正さん。「子どもたちに何か自分を表現できる道具を見つけてと伝えてほしい。自分の場合は、スポーツだった」と自らの体験を基にエールを送った。
加藤さんは5大会連続で、パラリンピックに出場した。98年の長野冬季大会では、アイススレッジスピードレースの400㍍と1500㍍で銀、1000㍍で銅メダルを獲得。アイススレッジホッケーでは、ベストプレーヤーとベストディフェンダーに選ばれた。
演題は「挑戦しつづけること」。小学校2年生の時に骨肉腫を患い左足を切断してから、世界の舞台に駆け上るまでの道のりを話した。
中学生の時に同級生の兄に誘われて、水泳部に入部。身長に恵まれたこともありめきめき上達、2年生の時には一般の中学生として長野県大会に出場するまでになった。「指導者によって選手は変わる。先生には情熱があった。恩を返したいと一生懸命やった」と振り返った。
車いすバスケットや登山、ロッククライミング、アイススレッジホッケーなど、さまざまなスポーツに挑戦を続けた。
小学6年生の息子は、南小のバレーボール部。息子には「オンリーワンもいいけど、スポーツをやるからには、ナンバーワンになれ」と言い聞かせているという。
最後は「息子が高校を卒業するまでは、宮古に住む。道で出会った時は、声を掛けて」と気さくな人柄をのぞかせた。
同研修会は①子どもたちの健全育成②子どもたちのチャレンジする精神をはぐくむ③地域や家庭の教育力向上-に役立てる趣旨で実施した。
アイススレッジホッケー 下半身に障害を持つ人が、スレッジと呼ばれるそりに乗り、アイスホッケーを行えるように改良された障害者スポーツ。