前原前外相ら下地島視察
災害支援拠点を要望/下地敏彦市長
衆参両院の超党派でつくる「新世紀の安全保障体制を確立する議員の会」の代表幹事の前原誠司前外相ら9人が10日、国内唯一の民間機パイロット訓練飛行場の下地島空港を視察するとともに下地敏彦市長と会談した。下地市長は非公開会談後の記者会見で「『下地島空港は災害支援拠点に使いたい。自衛隊使用は駄目だ』と言った」と拒否したことを述べ、自衛隊使用には反対する意向を表明した。
下地市長を訪問したのは前原前外相のほか、中谷元氏、佐藤茂樹氏、今津寛氏、神風英男氏、長島昭久氏、渡辺周氏 榛葉嘉津也氏、前衆院議員の西銘恒三郎氏、議連事務局の豊田圭三氏の9人。
会談後、下地市長は「中谷代議士は『那覇より南には基地拠点がない。中国の動きを含むと社会情勢は危うい状況。那覇空港過密化を考えると、南に拠点があっても良いと思う』と語っていた。私は『下地島空港は災害支援拠点にしたいから駄目だ』と話した」と下地島空港の平和利用に理解を求めたという。
下地市長は会談の内容説明後、「伊良部大橋が架かった場合は、宮古空港は下地島空港に移転して一本化し、災害支援拠点にしたい。そうすることで軍事利用の動きに歯止めが掛かる」と従来の考えを改めて強調した。その上で、「下地島空港は、屋良覚書で民間航空訓練と民間航空以外の使用を認めないことになっている。ただ、屋良覚書を確固たるものとして、絶対揺らがないとの認識でいかないと、とんでもないことになる」と警鐘を鳴らした。
同議員の会の来島に合わせ、労組と平和団体が下地島空港と市役所平良庁舎前などで抗議集会を開き「下地島空港の軍事利用は反対」などとシュプレヒコールを上げた。