根絶のめど立たず/伊良部のバッタ異常発生
防除から5日、農家警戒強める
伊良部の下地島のサトウキビ畑で、キビに食害を与えている害虫トノサマバッタの異常発生で農薬防除を実施してから24日でちょうど5日。バッタの発生は拡大する一方で、根絶のめどは立ってない。宮古製糖伊良部工場では「発生源は、下地島空港滑走路周辺の草地だが、農薬防除の実施日が不明。このままでは農薬防除を終えたキビ畑に、再び飛んでくる可能性がある」と警戒を強めている。
バッタの異常発生は19日、空港南側のフェンス近くのキビ畑で確認された。市、同工場、JAおきなわ宮古伊良部支店、キビ生産農家は対応策を協議した。その結果、20日から大型送風散布機(スーパーパウダー)など2台を導入して薬剤防除を展開した。
21日に開かれた市・同工場・生産農家の3者会議では、散布する薬剤費の負担について話し合った。協議の結果、市・同工場とも30%、生産農家40%の負担で決まった。
バッタの集団は24日現在、公営ゴルフ場「サシバリンクス伊良部」のすぐそばのキビ畑でも確認された。今後ゴルフ場に侵入することも予想されている。
バッタは年3回産卵するとされる。既に雌雄の交尾が確認されていることから、世代交代の幼虫発生が考えられている。
同工場では「23、24の2日間とも休み返上で薬剤防除作業に追われた。5日間で作業に当たったボランティアは延べ50人。早めに発生源を薬物防除してほしい」と訴えた