「基本的考え方」を答申/県振興審議会
平会長、新機軸投入を強調/仲井真知事「日本の先行モデルに」
【那覇支社】県振興審議会(会長・平啓介琉球大学顧問)は27日、仲井真弘多知事に「沖縄21世紀ビジョン基本計画」の素案に当たる「新たな計画の基本的な考え方」を答申した。同ビジョンはポスト第4次沖縄振興計画の県側原案。同答申を基に県は、具体的な計画案を作成する。10月に再度、同審議会に諮問し、4次振計終了後の2011年4月の実施を目指す。答申で平会長は「従来の枠を超えた新機軸を投入する必要があると考える」と述べ、引き続き検討を続け、国との協議に反映されることを強調した。仲井真知事は「日本の先行モデルになる内容」と評価した。
答申は同審議会の下に設けられた八つの専門部会で、それぞれに協議した。計891件の文言修正案が出され、大幅に加筆修正された。同部会のうち、離島・過疎地域専門部会においては、離島航路旅客船の再開をめぐり、委員と事務局案が対立するなどの経過があった。
答申は沖縄21世紀ビジョン原案を一歩踏み込み、「県民の主体性」を強調。県が主体的に策定する計画との位置付けを加味し、沖縄の特殊事情を踏まえた新たな沖縄振興に関する法律の制定を求めて日本全体の発展につながる各種制度が講じられることなどのダイナミズムを強調している。
さらに、東日本大震災の直後に提出された諮問案に対し、防災機能構築の必要性を付加し、「災害等に備えた事業継続体制の構築に貢献する」などの文言が追加された。
知事答申で平会長は「県民、各界の意見を踏まえ、新たな法律と計画の制定に向け取り組むよう要望する」と述べた。答申書を受け取った仲井真知事は「委員の熱心な討議を確認できた」と審議会の労をねぎらった上で、「アジアを見据えた内容だ」として、計画実現に向け、国との協議に臨む姿勢を示した。