中高生が福祉の心学ぶ/ボランティア体験研修会
中学・高校生を対象とした市サマーボランティア体験研修会(主催・市社会福祉協議会)が3日、3日間の日程で始まった。初日は市中央公民館研修室で福祉施設関係者らによる講話のほか、車いすやアイマスク体験、高齢者疑似体験などが行われ、参加した生徒52人は障害を持った人たちに優しい気持ちで接する福祉の心と求められるボランティア活動について学んだ。
この研修会は、地域で生活する高齢者や障害者を理解し、「自分たちに何ができるか」を考え、今後のボランティア活動に参加する生徒の育成を目的に、2008年から夏休み期間中に実施している。
講話では、就労移行支援事業所「くこりもや」の下地克子所長が東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県仙台市に6月4日~同12日までの間、障害者支援活動を行った体験談を報告。
下地さんは、被災地の状況は障害者にとって、さらに厳しい環境となっていることを報告。仮設住宅では段差があったり、障害者にとって必要な物もないが、それを本人たちも声に出して言いづらい状況となっていることなどが説明された。
参加した中高生に対しては「まずは自分がきちんとすること。自分自身を管理することで他人に対するケアもできる。自分自身を大切にする人は他人も大切にする」と呼び掛けた。
午後からは、車いすやアイマスク体験などが行われた。
高齢者疑似体験では、特殊眼鏡や手足の重りなどを装着して、お年寄りの日常生活動作を体験。生徒たちからは「なんか怖い」や「歩きづらい」などの感想が聞かれた。
きょう4日は、市内の福祉施設などでボランティア体験を行う予定だったが、台風9号の影響で日程を変更し8日に実施することとなった。
また、5日に予定していた最終日の3日目も9日に延期となり、宮古特別支援学校体育館で交流会と3日間の体験発表会、修了式が行われる。