多良間村で普及顕著/牧草トランスバーラ
「収量多く栄養価高い」
県宮古農林水産振興センター家畜保健衛生課によると、子牛育成用の牧草「トランスバーラ」の普及が進んでいる。宮古地区における2010年10月現在の作付け面積は、前年と比べ16㌶(23・2%)増え、84㌶となった。市村別の内訳は多良間村56㌶、宮古島市28㌶と多良間村が多い。同村のトランスバーラは全牧草地385㌶の14・5%を占めるまでになった。
トランスバーラは、タンパク質含有量や、反収が多いこと、草の柔らかさ、刈り取り適期が長い-などが特徴。県畜産試験場の調査によると、年間10㌃当たりの乾草収量は2959㌔と、主流の「ローズグラス」と比べ923㌔(33%)多かった。タンパク質収量は、同比74㌔(35%)多い213㌔。タンパク質の含有率が7・2%。消化率も60%と高かった。
多良間村の村づくり課によると、トランスバーラは収量の多さや栄養の豊富さが知れわたり、5年ほど前から急速に普及した。村が支援している草地造成事業でも、トランスバーラの植え付けを希望する農家が多い。
トランスバーラの普及を推進する家畜保健衛生課によると、宮古島市と多良間村を合わせた、牧草の自給率は91%で、完全自給までには至っていない。同課は「自給率を高め、子牛の生産コスト低減を図るためにも収量と栄養価の高いトランスバーラの普及が望まれる」と強調している。
10年の宮古地区の草地面積は、1193㌶(宮古島市808㌶、多良間村385㌶)で、前年の1236㌶より㌶減少した。牧草別の植え付け面積は、ローズグラスが最も多く830㌶。ガットンの123㌶、トランスバーラ43㌶、ジャイアントスターグラスの80㌶などが続いた。