市職員を懲戒免職
分限審査委 不起訴処分の男性を
市民が納付した国民健康保険税を横領した業務上横領の容疑で逮捕され、那覇地方検察庁で不起訴処分(起訴猶予)となった男性職員(37)の市としての処分について審査する市職員懲戒分限審査委員会(委員長・長濱政治副市長)は8日、同職員を懲戒免職にすべきとの結論を出した。報告を受けた下地敏彦市長は「妥当な判断」として委員会の決定通り懲戒免職とする考えを示した。宮古島市となって職員が懲戒免職処分を受けるのは今回が初めてとなる。
懲戒免職という結論に至った理由について長濱副市長は、市職員の懲戒処分に関する指針の中で「公金公物を横領した場合は免職」と定められていることから、それに従ったと説明。委員会に対して、本人から横領した事実を認め、懲戒免職に相当する行為であり、処分を受け入れる旨の謝罪文が提出されていることも明らかにした。
同日夕、長濱副市長から口頭で報告を受けた下地市長は「妥当な判断をしてくれたと思う。自分自身で罪を認め、反省の意を示しているが、公務員としての毅然とした判断を市民に示すべきと思っているので、委員会の判断を受け入れ処分したい」と懲戒免職とする考えを示した。その上で「市民に対しては今回の問題を大変申し訳なく思っている。今後、職員の指導、監督をしっかりと行って、このようなことが二度と起きないようにしていきたい」と語った。
同職員の処分についてはきょう9日、下地市長が委員会からの正式な報告を受けた後、決定する。
同職員は、国民健康保険課に勤務していた2010年8月に市民から徴収した国保税約55万円を横領した容疑で今年6月に逮捕。7月には同容疑では処分保留となったが、新たに約25万円を横領した容疑で再逮捕。那覇地方検察庁は7月28日、同職員が▽本人が自白し反省している▽全額弁償している▽停職3カ月の処分を受けた▽退職届を提出している-などを理由に不起訴処分(起訴猶予)とし釈放した。
退職届は7月21日に提出されていたが、受理されずにいた。懲戒免職となると市からの退職金は支払われない。
委員会審査を終えた長濱副市長は「今回の問題は、これで一段落とするのではなく、今回の事例から業務のあり方や進め方の見直し、公務員としての自覚などについて、職員はしっかり学んでほしい」との考えを示した。