512柱のみ霊に哀悼の意/宮古南静園慰霊祭
ハンセン病法律の理念実現を
宮古南静園(新城日出郎園長)の慰霊祭が12日、同園の納骨堂で行われた。入所者や園の職員ほか関係者多数が参列し、同園で死去した512柱のみ霊に深い哀悼の意をささげた。新城園長は「ハンセン病問題の解決促進に関する法律の理念の実現に向け、あらゆる努力をする」と述べた。
慰霊祭は午前10時30分から行われた。参列者は全員で黙とうをささげた後、祭壇に花を供えて512柱と国の強制堕胎で生まれることができなかった水子のみ霊の冥福を祈った。
新城園長は「512柱のみ霊に哀悼の意を表すとともに、この世に日の目を見ることがなかった水子のみ霊に安らかなお守りがあらんことを祈る」と述べた。
その上で「らい予防法の廃止と国賠訴訟はハンセン病の問題を広く国民に知らしめた。これによって国の政策の過ちが認められているが、私たちは入所者の高齢化に伴う問題など新しい問題を抱えている」などとハンセン病問題の根深さを指摘し、2009年に施行されたハンセン病問題の解決の促進に関する法律の理念実現を誓った。
同法律の基本理念には▽ハンセン病問題に関する施策は、ハンセン病による被害を可能な限り回復することを旨として行う▽入所者が地域社会から孤立することなく、安心して豊かな生活を営むことができるよう配慮する▽ハンセン病に関する差別、権利利益を侵害する行為をしてはならない-が掲げられている。