少雨続き干ばつ懸念
今週中に対策会議 伊良部では被害が拡大
少雨の影響で干ばつが懸念されている。伊良部ではサトウキビの葉のロール現象や一部立ち枯れ被害が発生、19日現在でトラック390台分の灌水を行い、被害の軽減に努めている。宮古本島でも雨が降らず、農家はスプリンクラーを活用して灌水を始めている。宮古島市など関係機関は今週中に干ばつ対策会議を開いて対応を協議する。
今月初旬に台風9号が接近し、平良や城辺地区では80㍉以上の降水量を観測したが、それ以降まとまった雨は降っていない。
宮古島地方気象台によると、今月の各地の雨量は▽平良104・5㍉▽城辺133㍉▽下地島空港62・5㍉▽多良間12・5㍉-。向こう1週間まとまった雨が降る予報はない。
台風通過後に雨が降っていないことから宮古本島各地ではスプリンクラーが稼働。農家も危機感を強めて対応している。関係機関は干ばつ対策会議を開いた上でトラックによる灌水を決定する予定。1台分の費用は3500円(市補助は2000円)を見込む。
塩害、干ばつ被害が拡大している伊良部地区は10日から10㌧トラックでの灌水作業を開始。白鳥地区や長山地区、下地島などの一部のサトウキビは茶色に変色し、中には立ち枯れているキビもある。
伊良部庁舎農林水産室では「塩害と干ばつ両方の被害を受けて被害は広がっている」と話す。現在も防災無線を活用し、農家に灌水するよう呼び掛けている。
市は対策会議で製糖工場やトラック組合などと協議し、灌水の実施時期と補助の内容を決定する。その上で生産農家に早めの対応を呼び掛け、干ばつ被害を最小限にとどめる考え。