社員持ち株増を承認/コーラル社取締役会
「整理清算」を回避、存続へ
3600万円の債務超過に陥っている第3セクターのコーラル・ベジタブル社(砂川佳一会長)の取締役会が26日、下地の同社で開かれ、2011年年7月末時点の中間収支決算などが報告された。砂川会長が「整理清算」を提案したが、幹部従業員らが「社員持ち株を増やし、新生コーラル・ベジタブル社として存続して行く」との方向性を示し、全会一致で承認された。累積赤字は9500万円。11月に開かれる株主総会で、今後の存続有無について議論される。
役員会には代表取締役の砂川会長、取締役の下地敏彦市長、同社の米田隆己氏のほか、株主の幹部社員らが参加。マスコミには非公開で行われ、終了後、砂川会長がマスコミに対応した。
砂川会長は「社員4人が個人の事情から退職したことに伴い人件費の抑制、在庫の冷凍マンゴーの加工商品の販売、役員の無報酬などの要因で経営改善は奏を功した。社員の退職はリストラではない」と強調した。
その上で「前期2164万円の赤字は、今年7月末時点で261万円に圧縮した。赤字額は約1900万円の大幅減となった」と説明した。
また「今後の経営改善や経営経改革のためも遊休機械の200㍑抽出機(購入時の価格480万円)1台と製缶ライン機器(同1500万円)1台を売却する」と語った。
資産売却に伴い、社内の組織再編を実施していく方針。
営業外収益1104万円には行政からの特産品・ふるさと雇用事業費が含まれている。
9500万円の累積赤字には、未収金の回収が難しいとされる固定化債権が含まれており、同社では今後回収に力を入れることにしている。