「統合反対」の意見続出/宮原学区
市教委 小学校適正規模で説明会
宮古島市教育委員会主催の学校適正規模についての住民説明会が8月30日、平良宮原地区のとびとり会館で行われた。同委員会が小学校(幼稚園を含む)統合の方針を含む適正規模基本方針を決定後、初めての住民説明会。参加した住民からは「昨年7月の懇談会で教育長は統廃合は白紙と話していたのに、以降何の連絡もなく、なぜ急に決めたのか」などと教育委員会が基本方針決定した経緯、手法をただす意見や「複式学級がなぜ悪いのか」など統廃合に反対する意見、不満が続出した。
教育委員会が決定した小学校統合の基本方針は、2014年度までに▽鏡原と宮原▽伊良部と佐良浜▽来間と下地―の統合を行う。16年度までには城辺地区の4校(福嶺、城辺、西城、砂川)を1校に統合する。
住民説明会で、宮原小学校を卒業した男性は「複式学級で勉強してきた。どの理由も自分の経験から当てはまらない。経験した子供の視点から見ても複式学級に問題はないのに、なぜ解消しなければならないのか」と疑問を問い掛けた。
60代の男性は学力向上対策報告書を引用し「複式は良くないというが、宮原小の児童の読書量は22ある小学校の中で一人当たり33冊と平均の24冊を大きく上回っている。スポーツも泳力はトップクラス」と話し「複式学級でありながら一生懸命勉強している。複式学級のどこが劣っているのか、悪いのか示してほしい。皆さんは宮原の授業を見たことがあるのか」と語気を強めた。
教育委員会は複式学級解消のための小学校統廃合に関して①社会への適応性・協調性をより育てる必要がある②互いの切磋琢磨(せっさたくま)や向上心をより高める教育が必要③集団活動や特色ある教育活動がより必要④そのためには一定の人数(複数学級)の中での教育が必要─などの理由を挙げて理解を求めた。
しかし、同小のPTAからは「統廃合ありきとしか聞こえない。なぜ複式を残すことを議論しなかったのか」、「説明会というが、場合によっては結論を撤回する余地はあるのか。ないのなら説明会の意味がない」などと厳しい意見が続出した。
「宮原を発展させる会」(木曽健二会長)は今後、市内の小中学校を対象に、統廃合反対の署名活動またはそれに関するアンケート調査を実施することを検討している。
同説明会は日は城辺学区を対象に行われた。8日には来間学区で実施される。