くし型浮き桟橋を整備へ/県、佐良浜漁港に22隻係留計画
県宮古農林水産振興センター(仲宗根盛和所長)では10月下旬から、佐良浜漁港西側で漁船用の「くし型浮き桟橋」工事に着手する。トゥリバー地区にもヨットやクルーザーの停泊場としてくし型桟橋が整備されているが、漁港に漁船用として設置されるのは宮古では初めて。2012年4月に供用開始を予定している。
浮体をくし状に並べている構造からくし型と呼ばれている。岸壁側と外側に鋼管くいを19本打ち込んで固定し、浮き桟橋11基を一定の間隔で設置する。1基の両側に1隻ずつ接舷し、計22隻を係留させる計画。
1基の長さが11㍍、幅1・5㍍。浮体は発砲スチロールをウレタン樹脂でコーティングし、表面は人工木材で仕上げる。
くし型浮き桟橋のメリットは▽強風時における漁船の安全な係留▽潮位に関係なく乗船・下船が容易▽作業の効率化・迅速化―などが挙げられている。
現在ほとんどの漁船は後進しながら船尾で接岸している。くし型浮き桟橋になった場合には船首を岸壁に向け係留する。各漁船とも岸壁と船尾にはしごを架けて乗船・下船を行っているが、そのはしごは不要となる。はしご製作費の支出はなくなる。
10月上旬に総合評価方式による入札を行う予定。事業費は国9割、県が1割を負担する。
2012年度には、伊良部離島振興総合センター前の海域で、ほぼ同じ規模のくし型浮き桟橋を整備する計画を立てている。
同センター農林水産整備課の仲村哲班長は「くし型浮き桟橋の供用が始まると漁船の安全確保と利便性がより向上する」と述べた。