新たな産廃施設に懸念/大浦地区住民
業者が事業内容を説明
宮古環境保全センター(池間忠社長)が平良字西原で工事を進めている安定型産業廃棄物最終処分場に関する大浦自治会(下地恵勇会長)への事業内容の説明会が3日、大浦公民館で行われた。住民からは「なぜ許可申請前に説明に来なかったのか」「本当に安全なのか」などの質問が矢継ぎ早に飛んだ。
この土地は、2001年11月28日に火災を起こした崎山環境整備開発の産業廃棄物最終処分場(大浦産廃)の南東側に隣接する。産廃火災で健康被害などを受けた大浦住民は、火災を起こした処分場の隣りに新たな産廃処分施設ができることに不安をぬぐえず、7月30日の自治会の臨時総会で建設に反対する方針を決めている。
事業主の池間氏は処分場に埋め立てるのは廃マルチビニールなどの廃プラスチック類やゴムくずなどと説明し、さらに廃棄物を3㍍埋めるごとに50㌢の土をかぶせるので悪臭や火災の心配はないと理解を求め、「質問は許可した行政にしてほしい」と説明を打ち切ろうとしたが、住民からは「これでは説明会になっていない」「もっと分かりやすく説明してほしい」などと不満の声が上がった。
大浦産廃火災で住民は有害物質を含む大量の煙と刺激臭などで被害を受けた。大浦敏光前自治会長は「最終処分場というと大変敏感になっている。なぜ許可を取る前に大浦住民との話し合いができなかったか」とただした。
池間氏は「処分場は安定型で焼却炉はなく、火を使わないので火災の心配はない」と話し「処分場の許可を受けるのに周辺住民の同意を得るようにとの行政からの指導はあるが法律上の義務はない」と説明した。
大浦産廃火災以来のどに違和感を感じ、今も病院に通っている70代の住民は「崎山さんも大浦産廃の時は安全だと言った。でも火災は起きた。信じられない」と不信感をあらわにした。
また「廃プラスチックなどの安定5品目というが、長い操業の間にはいろいろなものが捨てられる可能性もある」と懸念を示した。
池間氏は「大浦の住民は火災のことを一番心配していると思う」と述べ、操業開始後、処分場への自治会代表者立ち入りなどを含む協定書を大浦自治会で話し合い、合意できれば協定を結ぶ用意があることを明らかにした。福山集落とはすでに協定書を交わしている。
許可を受けているので大浦の同意がなくても操業開始は可能だと池間氏が述べたことに対し、下地自治会長は「自治会役員で話し合い、総会に諮り今後の取り組みを決めたい」と話した。