3000億円獲得目指す/一括交付金
きょう関係省庁に要請
【那覇支社】仲井真弘多知事、翁長雄志那覇市長(県市長会長)、城間俊安南風原町長(県町村会長)は7日、次年度からの制度導入を目指す「沖縄振興一括交付金(仮称)」創設に向けた共同声明を発表した。きょう8日から内閣府や関係省庁、与党民主党などに対し要請行動を展開する。新たな沖縄振興には、国が使途を定めない自由度の高い同交付金3000億円が必要だとして満額獲得を目指す。
共同声明は①県および県内市町村の自主性が発揮できる沖縄振興一括交付金(仮称)を創設すること②交付金規模は新たな沖縄振興にかかる施策の円滑展開が図られるよう3000億円を確保すること③12年度から創設されることを前提に概算要求を行うこと-としている。
また、仲井真知事と県内市町村長との合意事項を併せて発表し、両者合意に基づき①12年度から同交付金を創設すること②配分方法については協議機関を設置し双方の事情をしん酌し、対等な立場で配分額を決定する仕組みを構築すること-を前提に、知事と県内市町村が一体となって政府に要望することを発表した。
2011年度末で期限満了となる第4次沖縄振興計画に替わる新沖振計は、県が策定する「沖縄21世紀ビジョン」に基づき2030年までの将来構想を描き、具体策を新沖振計で展開したいという県の意向と与党民主党の政策が一致し、地方分権施策を推し進めるための全国モデルとして、沖縄での先行導入の方向性が決定していた。
だが、東日本大震災以降、国の予算編成や財源確保が取り沙汰される中で、県が要望する3000億円規模の振興事業費獲得は困難との見方も出始めている。今月中旬から始まる各省庁の概算要求を前に、県と市町村は国に対し「先手」を打ちたい考え。