173頭に865万円補助/市優良雌牛自家保留奨励事業
改良、農家所得向上後押し
本原登録の得点が80・5以上と体形や遺伝能力に優れた雌牛を繁殖用として自家保留した農家に、市が1頭当たり5万円を補助する事業の2010年度の利用者は116件・173頭に上った。補助額は865万円。市畜産課が7日までにまとめた。同事業は、優良牛への改良や農家の所得向上を後押ししている。
補助対象牛は、宮古和牛改良組合の定めた計画交配に基づいて生産された黒毛和牛で、月齢は30カ月未満。3年間飼育しなければならない。家畜共済加入も義務付けた。今年の12月27日まで、市畜産課の窓口で受け付けている。
上野の大規模繁殖農家は8頭の母牛を淘汰し、その分を本原登録で穴埋めした。「自家保留すると、競り市に出せない分所得が減る。1頭5万円の補助は助かる」と話した。
本原登録は、家畜改良協会が農家から申請を受けて実施している。体高や体長、胸囲、体のバランスなど約20項目を審査し一定の基準を満たし、得点が80点に達すると、農家に登録証を交付する。脂肪交雑(霜降り)や枝肉重量などの育種価(遺伝能力)が県平均を上回ることも条件になるという。
県家畜改良協会は「得点の高い牛の子牛は、高値で取引されている」と、制度の効果を強調する。
補助事業名は「宮古島市優良繁殖雌牛自家保留奨励事業」。11年度の補助金は、140頭分の700万円を計上している。