政府、「沖縄振興を含む」明記/12年度概算要求基準
県、一括交付金に期待/26日に振興部会
【那覇支社】政府は20日、2012年度予算編成で各省庁の要求上限額を示す概算要求基準を閣議決定した。各省とも前年度比1割減とする一方、重点政策には特別枠として7000億円を充てるとし、「日本再生重点化措置」を設定し対象4項目の地域活性化のただし書きに「沖縄振興を含む」と明記した。県は「沖縄振興一括交付金(仮称)」の創設に期待感を強めている。だが、同交付金の具体額は決定しておらず、26日にも沖縄政策協議会同振興部会を開く予定。
12年度以降、県が3000億円を自由に使える同交付金の創設を要望していることから、同概算要求基準には「沖縄振興予算については、一括交付金に関する地元の要望を十分に踏まえて予算編成過程において検討する」と記した。
県財政課は、概算要求組替え基準で沖縄振興が明記されたことについて、「県の振興の必要性について、政府が一定の理解を示したものと解釈している」としたが、同交付金の創設については今後の予算編成過程で、具体的な制度設計は示されるだろうとの見方を示した。
12度予算で各省庁は政策的経費について11年度当初予算比で一律1割の削減を求められるが、代わりに削減額の1・5倍を上限に特別枠を要望できる仕組みにした。各省庁の要求期限は9月末。
閣議に先立って開かれた予算編成に関する閣僚委員会で、野田特別枠の重点化対象は再生可能エネルギーの開発など新成長戦略教育や雇用など人材育成沖縄振興策を含む地域活性化安心・安全社会の実現-の4分野。配分先は、政府・与党首脳らによる「予算編成政府・与党会議」で具体的に検討する。
一律1割削減の対象は、社会保障費や地方交付税、義務的経費、人件費を除いた約12兆円分の政策的経費。 今後3年間の予算の大枠を示す「中期財政フレーム」では、国債費を除いた歳出を11年度当初の71兆円より抑えられるよう規定している。引き続き各省庁に対し一律削減を求める考えで、同対象外の義務的経費なども、行政刷新会議による事業仕分けなどで歳出削減を目指す方針だ。