学校統合 先進地視察に賛否/市議会最終本会議
与党 「課題克服に必要」 野党 「統合ありき先行」
宮古島市議会(下地明議長)9月定例会は28日、最終本会議を開いた。学校規模適正化で教育委員会が統合した先進地の視察を行う予算が盛り込まれた2011年度一般会計補正予算について、議員から賛否の声が上がった。同予算に賛成の立場を示した与党側は「多くの課題を克服した先進地を視察するのは大事。その結果を市民に資料提供することは必要」、野党側は「現在は市独自の学校のあり方について、地域の声を聞くのが先決」として、統合ありきの視察に反対の立場を示した。同予算は採決の結果、与党の賛成多数で可決された。
先進地視察は、新潟県上越市と名護市に教育委員会の職員を4日間派遣する計画。
佐久本洋介氏は「住民説明会はこれからも順次進められていく。きちんと説明して判断を求めるためには資料は多い方が良い。そのためにも視察は必要」と賛成の立場を示した。
嵩原弘氏は、2006年に学校統合に向けた検討委が立ち上げられたが、その間、何も進展していないと指摘。「これまで先送りしてきた行政の弊害が子どもや市民に生じている。この問題は緒に就いたばかり。先進地を視察して結論を出すべきだ」と同予算の計上に賛成とした。
一方、反対の立場で発言した亀浜玲子氏は、四つの地域で住民説明会が終了し、多くの住民が反対だったことを指摘。「教育委員会が今やらなければいけないのは、市独自の学校のあり方について住民の声を聞き方向性を決めなければいけない」と述べ先進地視察に反対の立場を示した。
下地智氏も亀浜氏と同様な意見だとした上で「統廃合した地域を視察した後で、住民説明会に臨むのは公平ではない」と強調。「複式学級のメリットも情報として提供していくのが公平な立場だ」と主張し「不公平な予算編成」と批判した。
先進地視察の予算計上については、開会中の9月定例会の文教社会委員会(垣花健志委員長)で審議されたが、委員から「削除し予備費へ増額する」との修正動議があり、修正案が提出された。採決の結果、可否同数となり、委員長裁決により否決された。
総務財政委員会(真栄城徳彦委員長)では修正案が否決されたことに伴い、原案について諮ったところ、賛成意見と反対意見があった。採決の結果、可否同数となったため委員長裁決により同予算が盛り込まれた一般会計補正予算は原案可決された。