「祝祭日にも使用させて」/市陸上競技場
休場に利用者から不満の声
施設使用の有料化から半年が経過した宮古島市陸上競技場。全天候型タータントラックを全面的に張り替えたほか、メーンスタンドを大幅に改修、トレーニング室も設置するなど使用環境は飛躍的に向上した。その半面、祝祭日を休場とする管理上の新たな課題が浮上している。多くの利用者が祝祭日の利用を求めているが、市は条例の施行規則を理由に認めていない。宮古毎日新聞社の調べで県内で全天候型競技場を管理する14の自治体のうち、祝祭日を休場としているのは宮古島市のみだった。
今年5月の大型連休。陸上競技場は2日から5日まで使用できなかった。2日は定休の休場日、3~5日は祝祭日に当たっているためだ。この時期、特に高校生はインターハイの県予選を控えていたため、指導者らは「大会に向けて使用させてほしい」と要望したが、管理する市民スポーツ課は同規則を理由に認めなかった。
競技場の休場に関する取り決めは改修前から市立体育施設条例施行規則で定められており、これに従えば定休の月曜日と祝祭日は使用できない。しかし、改修前の競技場は使用料が発生せず、直接管理する人員も不在だったため、利用者は祝祭日でも自由に出入りして使用してきた。
この慣行が改修後の管理徹底でなくなった。市が規則通りに月曜日と祝祭日を休場としたために利用者の不満が噴出、市民スポーツ課にも苦情が相次いだ。
これに対し同課の根間博信課長は「条例通りに運営している」と話し、やむを得ない現状を説明している。
ただ、市体育協会をはじめ関係団体は「県内のほとんどの競技場は祝祭日でも開放している」とし、他競技場と同じように祝祭日の使用を求めている。「スポーツアイランドを目指すなら祝祭日でも開放して市民に利用させるべきだ」と指摘する声もある。
県内で全天候型陸上競技場を運営する管理者に祝祭日開放の理由を聞くと「祝祭日は市民の利用が多くなるため」と回答する自治体がほとんど。さらに、それぞれ定休日はあるが、定休日に祝祭日が当たると同日は開放して別日に休場するという運営で市民サービスを重視している。
宮古島市の場合、定休日に祝祭日が当たると、同日の休場に加えて翌日も休場扱いになる。県内の他競技場に比べて休場日が多くなるのは必然だ。
市体育協会の本村博昭会長は「改修した競技場は県内でも屈指の素晴らしい競技場になった」としながらも祝祭日の休場に関しては市の配慮を求める。「祝祭日は一般の人の使用頻度が高くなる。トレーニング室もできているため利用を求める声は多く、関係団体から体協に要望もある。祝祭日の開放については市と意見交換して調整をしていきたい」などと話した。
市教育委員会生涯学習部の平良哲則部長は「有料化してまだ半年。今後、状況を見ながら市民の声を集約して検討したい」と話した。
祝祭日の休場に関する条例「施行規則」は市の裁量で変更が可能。ただ、同規則が適用される施設は競技場を含めて総合体育館、市民球場など市内に施設あるため課題は多い。変更すれば全施設を祝祭日に開放する必要があり、人員配置で困難を極めるためだ。
市体協の本村会長は「人員配置が難しいことは理解できるが、(祝祭日の利用を求める)市民のニーズに応えてほしい」と市の対応に期待を込めた。