支援システムで意見交換/ICT教育フォーラム
7氏がパネル討論
ICT(情報通信技術)教育フォーラム「がんばる先生のための新しいコミュニケーション術~教育の未来とネットワークの利活用~」(主催・宮古島市教育委員会)が14日、市中央公民館で開かれた。大学教授ら7人のパネリストによるパネル討論では、宮古島市で昨年度、実施された小中学校の校務支援システム実証実験や来年度から下地中学校で実施されるフューチャースクール事業について意見を交わした。
市では2010年10月から11年3月まで、市内の小中学校で、教職員の事務的負担を軽減するためインターネットを活用した国内最先端の支援システム実証実験を実施。また2012年度からは下地中学校が、全生徒と教員に1人1台のパソコンを導入し、デジタル教材などを活用して授業を行うフューチャースクール事業の実施校に選定されている。国内最先端の教育環境が整いつつある宮古島市での取り組みを紹介するとともにネットワークを利活用が教育に果たす役割を検討するために開催された。
パネル討議は、愛媛大学の坂本世津夫教授、九州大学の実積寿也教授、城辺小学校の儀間裕芳校長、NTT西日本ソリューションビジネス部の有田忠文部長、早稲田大学の福田雅樹准教授、鳴門教育大学の藤村裕一准教授、総務省高度通信網振興課の松田和男高度通信網推進官の7人がパネリストを、早稲田大学の三友仁志教授が司会を務めた。
松田推進官は、国内の情報通信ネットワークの整備は進んでいるものの利活用が遅れている現状を説明し「利活用を広める分野の一つが教育」との考えを示した。
有田部長は学校で扱うさまざまな情報について、学校現場で管理するよりもインターネットと「クラウド」とよばれる外部サーバーを使って管理する方が安全で、災害などで消失する恐れが少ないことを強調し、校務支援システムの活用を呼び掛けた。福田准教授は、現在、紙で保存している児童生徒の情報をデジタル情報での保管に変更するためには条例等の整備が必要との考えを示した。
校務支援システムについて藤村准教授は性能向上のためにも「どんどん使って良かった点など情報発信をしてほしい」と要請。坂本教授は「地域活性化のためにも教育現場でICT利活用できる人材を育成すべき」、実積教授は「パソコンはハードよりソフト面が問題。人と機械がうまくコラボできる環境作ることが大切」と訴えた。
儀間校長は「宮古島は離島の離島であるからこそ最先端の技術を使った教育を行い、子どもたちが宮古を離れどこへ行っても自信を持って過ごせるように育てたい」との思いを述べた。