売上高、前期比減の1億576万円/コーラル社取締役会
12期決算 単年度赤字幅は圧縮
宮古島市などが出資する第三セクター、コーラル・ベジタブル社(砂川佳一会長)の取締役会が19日、那覇市内で開かれ、第12期(2010年9月~11年8月)の決算や組織再編案などを承認した。同議案は、11月25日の株主総会に提出する。同社は、経営が悪化し約4000万円の債務超過に陥っている状況。来期は組織再編で製造、販売部門の機能を強化し生き残りを図る。
12期の売上高は1億576万円で、前期と比べ522万円の減収となった。直売店に立ち寄る観光客が、昨年の秋から減り、東日本大震災以降、追い打ちがかかった。
単年度赤字は前期より627万円少ない1225万円、累積赤字は1億739万円を計上した。単年度赤字幅圧縮の要因に①退職した3人の補充をしなかった②製造原価を約400万円削減-などを挙げた。
取締役会後、砂川会長は「第3セクター方式の発想から脱皮して、家内工業的、零細企業的発想で再出発する」と方針を述べた。
組織再編は製造部と農務原料部を「アロエベラ生産加工所」として統合。職員が畑に出向いてアロエベラの肥培管理も行い、農家の信頼回復と原料の安定確保に努める。製造は従来の多品目から、アロエベラへの1点集中を目指す。
新設の「研究開発チーム」は、農商工連携事業を活用し、新商品を開発。県外の販売は、大阪の健康食品会社が引き受けるという。営業・企画部は会長直属とし、島内とネット販売に力を入れる。
ブランド化に向けては「石灰岩土壌で育ったミネラル豊富なアロエベラ」や「無農薬・無化学肥料栽培」などを全国に発信する。