台湾との経済交流圏構築へ/宮古島市
貨物船航路の再開に期待
宮古島市と石垣市、台湾東部(後山)の経済交流の促進と市場調査を目的とした商談会が、このほど台北市内で行われた。台湾東部と先島諸島の経済交流を図る「黒潮生活経済共同圏の構築に関するシンポジウム」も開かれ、台湾の船会社が今年12月にも台湾と先島間に貨物船を就航させる意向を示した。商談会には宮古から2社が参加し、潜在的な市場拡大に期待を示した。
宮古島市は台湾の基隆市と姉妹都市関係にあり、下地中学校と台中漢口国民中学校で交互にホームステイをするなど人的な交流は深められてきたが、2008年に先島と台湾間のフェリーの休止で物流は停滞している。
下地敏彦市長は26日、台湾との人的経済的交流の強化について「お互いの特産品交流は意味がある。人も観光資源なのでとても重要。台湾に貨物船就航の意向があるので、今後、美ぎ島美しゃ市町村会の中で航路再開後の具体的な対応について協議したい」と述べた。
商談会は宮古、八重山など沖縄から23の団体や事業所、台湾から50社以上が参加して行われた。宮古島からは多良川(本社・城辺)とパラダイスプラン(本社・上野)の2社が商談に臨んだ。
多良川の砂川拓也社長は「試飲も行ったが感触はとても良かった。市場としては期待できる」、パラダイスプランの西里秀徳会長は「これまでほとんどPRもしていない。しっかりと取り組めば台湾市場は十分拡大する」と話し、それぞれ手応えをつかんだ様子だった。
同商談会は今年6月26日、日本の国会議員に当たる台湾立法員の賴坤成(ライ・クンチェン)氏が宮古島市を訪れ、下地市長と経済交流について意見交換をしたのがきっかけで始まった。今後も継続していく。
台湾東部と先島諸島の経済交流を図るシンポジウムでは、古堅宗和企画政策部長と宮古島商工会議所の藤村明憲副会頭がパネリストとして出席。最も近い国同士の経済交流の促進について活発な意見交換が行われた。