選者に新城森彦さん/日本歌人クラブ
宮古から初めて
歌人で元校長の新城森彦さん(76)が日本歌人クラブの選者に選ばれ、10月28日の同クラブ主催「全九州短歌大会・宮崎大会」で初仕事を務めた。宮古出身の同クラブ選者は、新城さんが初めて。7冊の歌集を発刊し、短歌の普及に尽くしたことなどが評価された。
約1カ月前、新城さんのもとに、722点の応募作品が届いた。何回も読み返し、9点を優秀作品に絞り込む作業は、大変だったという。
「九州地区短歌界に役立ちたいとの使命感もあり引き受けた。選者の仕事は選ぶ喜びや、学ぶこともありやりがいがある」と話す。
「この海につながる東北たましいの震えのように波打ち返す」。宮古出身の伊志嶺節子さんの同作品が上位の「短歌新聞社賞」に輝いた。新城さんは「復興へのくじけない魂を比喩的に表現した。時期に合った作品」と講評する。
新城森彦選(選者作品賞)には、山間の村の光景を詠んだ「人里の室の唐芋ねらひ来る子連れの狢しどみ咲く道」(福岡県・溝田ひろむ)を選んだ。
日本歌人クラブ 歌人相互の親睦を図り、歌壇の発展に寄与することを目的とした、日本で最も大きな歌人の団体。5000人近い会員を擁する。