伊良部高廃校案を提示/県教育庁
編成計画素案で明らかに/2019年度に募集取りやめ
【那覇支社】県教育庁(大城浩教育長)の「県立高校編成整備実施計画」(素案)の中で、伊良部高校が2019年度から入学募集を取りやめ、21年度までに廃校とする案が提示されていることが3日、明らかとなった。同校は宮古高校に統合される予定。12年度から実施を予定する同計画では、実施期間の10年間で県立高校の再編、統合、新設校の設置などを示している。県教育庁によれば、同計画は1日に開いた第7回懇話会で協議され素案の中身を固めた。12月2日の最終審議を経て、来年1月の早い時期に中身を公表しパブリックコメント(意見公募)を行った後、計画案を取りまとめて今年度内に県教育委員会に提出する。
計画素案では伊良部高のほか、本部高の北山高への統廃合や、辺土名高の名護高分校化などが記されている。実施期間の10年間を前、中、後期に分けて学校統廃合と学科再編などを示しているほか、10年間をかけて実施する長期計画案を盛り込んでいる。
前期計画(12~17年度)では少子化問題に対応するため、北部地域の学校統廃合を進めるほか、南部地区の実業高校を統合し、統合選択制の高校として「南部総合実業高(仮称)」を新設する。また、定員割れの続く久米島高の園芸科を廃止する。
中期計画(14~19年度)では発達障がいや不登校に対応するため、「フューチャースクール」を新タイプの学校として新設する予定だ。
伊良部高校普通科を宮古高校普通科に統合し、同校を廃校とする案は後期計画(17~21年度)で実施する予定だ。廃校理由として①恒常的な定員割れ②過疎化、人口流出が顕著で少子化が著しい③4年の伊良部大橋開通で中学生が宮古島に進学するケースが増える可能性大-などとしている。
統廃合の効果として、①充実した教育環境を生徒に供給することで宮古地区の教育整備を進める②生徒数増で普通科を発展し、多くの部活を作ることができ生徒のニーズに対応できる-としている。
18年度入学生で募集停止とし、翌19年度からの募集を行わず、20年度卒業生をもって廃校にする予定だが、大橋開通で定員が現在の過半数を割った場合、実施期間を待たずに廃校実施を早めるという。大橋開通によるマイナス面だけを視点にしていることなどから、同計画素案に対し、地元から反発の声が挙がるのは必至だ。