活き餌用の漁場形成へ
パヤオ2基沈設 12月下旬に
宮古島市はカツオ一本釣り漁船の活き餌に活用される小魚の漁場形成に向け、鋼製人工魚礁(パヤオ)2基の製作を発注した。池間漁港で既に製作が始まっており、12月下旬に宮古本島北部と伊良部島に囲まれた水深20㍍ほどの海域に沈設される。佐良浜の漁師らは、来夏から資源管理型漁場として小魚の群れを網漁で計画的に水揚げし、カツオ一本釣り漁船に安定供給する。
同事業は国の漁村再生事業の一環。今年度はこれまでに7基沈設しており、今回の2基を含めると計9基となる。2012年度は3基製作する予定。合計12基の総事業費は1億2000万円で、内訳は国が75%、県・市が12・5%ずつ負担する。
沈設型人工魚礁は、四角錐の台状構造。底辺四方11㍍、高さ3・8㍍、上辺四方6・6㍍。内部は中2階の構造になり、四つのますの中には玉石が敷き詰められている。玉石には海藻が着生し、稚魚を集める機能が増す仕組み。ますの下が日陰になることから、稚魚の群れの保育場となる。
人工魚礁に集まる小魚の大群で活き餌となる稚魚の種類は、スカシテンジクダイ(テンジクダイ科)、キンメモドキ(ハタンポ科)、タカサゴ(フエダイ科)、クマササハナムロ(同)。
市水産課(池原豊課長)は「人工魚礁で稚魚を集める効果が出ると、活き餌を専門に採取する漁船のこれまでの漁場距離は短縮される。燃油節減、活き餌販売による所得向上で漁家経営の安定につながる」とメリットを挙げた。