TPPからサトウキビ守れ/大会宣言を採択
県農業代表者集会開く
【那覇支社】環太平洋連携協定(TPP)の日本の交渉参加を阻止し、県内のサトウキビ生産を守ろうと22日夕、那覇市奥武山の県立武道館で、TPP交渉参加阻止・サトウキビ政策確立県農業代表者集会(主催・県サトウキビ対策本部、県農協中央会)が開かれた。宮古から下地敏彦市長ら約人が大会に参加。県内各地区の代表者ら約1000人が集結し、政府のTPP交渉参加断念を強く求め、生産者が安心して農業に取り組める交付金水準の確保と糖業の将来展望の確立を求める大会宣言を採択した。
集会で主催者あいさつした小那覇安優県サトウキビ対策本部長は「TPP交渉への参加は地域農業を壊滅させるばかりでなく、地域社会の崩壊にも直結する危険性をはらむ」と訴え、野田佳彦首相の同交渉参加表明に対し、「拙速な判断は民主主義社会の政策決定とは程遠く、国民無視、国会軽視といわざるを得ない」と厳しく糾弾した。
また、来賓あいさつした仲井真弘多知事は「国に対し、サトウキビ農家が安心して生産に取り組めるよう再生可能な農家手取り額を確保することを求め、TPPには慎重な対応と万全な対策を講ずるようJA、関係機関と一体となって強く要請する」と表明した。
宮古島市下地地区サトウキビ生産組合の川満省三組合長が「TPP交渉参加で、島の経済は危機的状況になりかねない。沖縄のサトウキビ生産が今後も続けられるよう共に頑張りたい」と決意表明した。
大会に参加した下地市長は「宮古経済の根幹をなすサトウキビがTPPで自由化される瀬戸際にある。宮古だけでなく沖縄本島を含む離島圏域にとっては重要な問題だ」と述べ同交渉参加に断固反対する姿勢であることを示した。
砂川博紀JAおきなわ理事長が「政府のTPP交渉参加断念を強く求め、サトウキビ生産と糖業の将来展望を確立するよう、生産者および関係者が一丸となって本大会決議事項の実現に向け邁進する」との大会宣言を行った。
県選出国会議員らの激励あいさつに続き、参加者全員によるガンバロー三唱で、同交渉参加に反対する沖縄の強い姿勢を県内外に強くアピールし大会を締めくくった。