前防衛局長発言に抗議/市議会
議会運営委が決議案
宮古島市議会運営委員会(上地博通委員長)が8日、市役所平良庁舎で開かれた。沖縄防衛局前局長の不適切発言に抗議し、防衛大臣の責任を明確にすることを求める抗議決議案と、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対し、環境影響評価書の提出断念を求める意見書案について協議を行い、いずれも全会一致で承認。きょう9日の市議会12月定例会本会議で提案され、採決が行われる。
抗議決議では、沖縄防衛局の田中聡前局長が、米軍普天間飛行場代替施設建設に係る環境影響評価書の提出時期について「これから犯す前に犯しますといいますか」と発言したと報じられたことについて「人権感覚を欠いた発言をしたことは許しがたいこと」であり「人間の尊厳を踏みにじるもので、到底看過できるものではない」と厳しく非難。発言に抗議するとともに防衛大臣の責任を明確にするよう求めている。
環境影響評価書の提出断念を求める意見書では、政府が年内に同評価書を提出する方針を示していることについて「県内移設に反対を求める県民の総意を無視するもの」とした上で「県民の生命、財産、生活環境を守る立場から普天間飛行場の県内移設に反対」との立場を表明。県外・国外への移設を求めるとともに同評価書の提出断念を強く要請している。
抗議決議については、参議院できょう9日、自民党から一川保夫防衛大臣への問責決議案が提出され、可決する公算が高いことから、その状況を見極めてから決議すべきではとの意見も挙がったが、発言に対する抗議なので大臣の進退にかかわらず決議すべきとの考えから、環境影響評価書提出断念を求める意見書とともに、きょう9日の本会議へ提案することを決めた。
議会で採択されれば、抗議決議は内閣総理大臣と防衛大臣、内閣官房長官宛てに、意見書は内閣総理大臣、外務大臣、防衛大臣、沖縄及び北方対策担当大臣、内閣官房長官宛てに送付される。
委員会では、環太平洋連携協定(TPP)交渉参加阻止に関する意見書を今定例会中に提出する方針を確認。上地委員長と事務局で意見書案を作成し、それを基に委員会で審議を行うこととなった。委員からは、農業だけでなく関係する分野全般について言及するよう求める要望などが挙げられた。
そのほか、基本的には議案に対する質疑のない市議会最終本会議への市当局からの出席者について、「市長、副市長、教育長及び提出議案に関係する部長等」と定めている現在の議会運営に関する申し合わせを、原則、市長、教育長、企画政策部長、総務部長に限定する変更案を事務局が提案。各会派で検討し日までに結論をまとめるよう求めた。