合併後初 市史通史編発刊へ
宮古研究家17人の総力結集
原始時代から市町村合併まで、宮古の歴史の流れを収めた「宮古島市史第一巻通史編」が、3月末に発刊される見通しとなった。市史編さん委員で宮古研究家17人の総力が、結集された大作。市民に親しまれ、中・高校生の副読本にも活用できるようにと、文章は分かりやすく工夫した。
合併前の市町村史・誌は、宮古全体を網羅した平良市史(10巻)や、城辺町史(5巻)、多良間村史(6巻)、伊良部村史(1巻)、下地町誌、上野村誌などが発刊されていた。今回の第一巻通史(多良間含む)は従来の成果に、新たに発掘された史資料を加えて編集した。
調査研究は、市町村合併翌年の2006年にスタートし、発刊までに6年を費やした。合併後初の市史編さん事業による、市史発刊となる。B5判の約700ページと分厚い。
仲宗根將二・宮古島市史編さん委員長は編集方針について「市史の対象=読者は、あくまでも市民であり『市民のための市史づくり』を目指して、市民各層に歓迎されるとともに、研究者の批判にも絶え得る市史でありたい」と述べている。
内容は①「先史・グスク時代」-先島文化圏からグスク文化圏へ②「古琉球」-統一へ動く宮古③「近世」-薩摩藩・琉球王府統治下の宮古④「近代」-廃藩置県から終戦までの宮古⑤「現代」-戦後の宮古-の5編で構成した。
市史編さん大綱は「沖縄・日本の歴史には宮古・八重山(先島)からの視点が必ずしも十分に反映されていない。宮古島市史編さん事業の持つ意義の一つがここにある」と特徴を示した。
宮古島市史編さん委員は次の通り。(敬称略)
委員長=仲宗根將二▽豊見山和行▽友利恵勇▽石原信一▽長濱幸男▽波平勇夫▽来間泰男▽本永清▽佐渡山政子▽下地利幸▽下地和宏▽砂川明▽砂川幸夫▽砂川玄正▽平良勝保▽宮川耕次▽上原孝三