下地島の国際空港活用を/参院沖特委視察団が来島
市長、村長が16項目要請
参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会(岸信夫委員長)の視察団が18日夕に来島。19日は市役所平良庁舎で下地敏彦宮古島市長と下地昌明多良間村長から各市村の現状と課題について説明を聞いたほか、宮古病院、宮古島メガソーラー実証実験施設、宮古製糖城辺工場を視察した。委員会に対し下地市長は下地島空港の国際空港としての活用などを、下地村長は多
良間-石垣間の航空路線の再開、運航についてなどを要請した。
同委員会視察団は、沖縄の振興開発などに関する実情調査のために来島した。メンバーは岸委員長のほか県選出の島尻安伊子氏や山内徳信氏ら計8人。市役所平良庁舎を訪れた委員らに対し下地市長と下地村長は宮古島市と多良間村の現状と課題について説明した。
委員会に対し宮古島市は①下地島空港の国際空港としての活用②天然ガスなどの地域資源調査支援③「宮古島バイオエタノールプロジェクト」事業化支援④平良港漲水地区再編事業の早期着工⑤県営広域公園誘致⑥尖閣諸島海域における安全操業確保⑦伊良部大橋の早期完成⑧環太平洋連携協定(TPP)不参加と、参加した場合の国内農業生き残り施策⑨先島圏域間の航空運賃低減⑩農業基盤整備の推進-の10項目を要請した。
多良間村は①多良間-石垣間の航空路線の再開、運航②多良間-宮古間のフェリー運航経費全額補助③多良間港前泊地区の整備④同港普天間地区の整備⑤水納港の整備⑥水納島防災施設の整備-の6項目を要請した。
耐震バース整備を含む平良港漲水地区再編について委員が、既存の岸壁の耐震化で対応できる可能性について質問したのに対し、下地康教市港湾課長は「北風が強くなる冬場でも1万㌧級の船が安全に入港できるバースが必要なので既存岸壁の活用では難しい」と回答。下地島空港利活用について防衛省からのアプローチはないのかとの質問には下地市長がアプローチはないと答えた上で、下地島空港は災害支援の拠点としても整備するよう県に要請していることを説明した。
続いて宮古病院を訪れた委員らは老朽化が激しい現在の建物を見学した後、新宮古病院の建設工事現場を視察。安谷屋正明院長は委員会に対し、離島医療支援策として専門医確保に向けた診療報酬加算・補助制度の導入、離島間急患搬送の広域化などを要請した。
メガソーラー実証実験施設では沖縄電力の知念克明常務や玉城正裕研究開発部長らから設備や研究内容について説明を受けたほか、広大な敷地内に敷き詰められた太陽光パネルを、蓄電池を収納する建屋の上から眺めた。
宮古製糖城辺工場では原料糖の製造工程について説明を受けた後、実際に稼働している工場内を見学した。安村勇社長は宮古島の基盤作物であるサトウキビの重要性を強調。委員会にTPP交渉への参加阻止やサトウキビの生産振興対策などを要望した。