宮古出身の女性を描く/今秋放送の「純と愛」
人気脚本家遊川氏を起用/NHK朝の連ドラ
【那覇支社】NHK大阪放送局は19日、同沖縄放送局で会見し、2012年秋スタートのNHK朝の連続テレビ小説に宮古島出身の女性が明るく力強く生きる姿を描いた「純と愛」に決まったと発表した。ドラマの舞台は宮古島と大阪市大正区。脚本家には03年「さとうきび畑の唄」で文化庁芸術祭大賞、06年「女王の教室」で第24回向田邦子賞を受賞した人気脚本家の遊川和彦さんを起用した。NHKが宮古を舞台にしたドラマを制作するのは単発のドラマを含め初めて。また、沖縄を舞台にした「朝の連ドラ」では01年度放送の「ちゅらさん」以来2度目となる。
ドラマの主人公、狩野純(22)は大阪出身の父、正高(50)と宮古美人の母、晴美(47)の一人娘(グータラな兄と弟がいる)。宮古島で小さなホテルを営む父に「実家を手伝いたい」と申し出たところ、「お前はダメだ」と言われ大喧嘩。「ならば、でっかいホテルの社長になって見返してやる」と啖呵を切り、大阪のホテルに就職する。
大阪で知り合った恋人、待田愛(いとし)との純愛や、宮古の「やさしさ」と大阪の「人情」を背景にした人間模様をコメディータッチに描いたドラマになるという。
記者発表で遊川さんは「純粋に生きることは辛いが、それを世間に公言しながら人を愛することを貫く頼もしい宮古女性を描く。いわば現代の女性版『坊ちゃん』のような作品だ」と情熱あふれる口調で語った。
東日本大震災発生などの影響で、元気さを失いつつある日本に、復帰40周年の沖縄からドラマを通して明るさを与えたいとの意味が込められている。
制作統括の山本敏彦チーフプロデューサーは「沖縄でのロケ地を探す中で、宮古島がドラマのコンセプトに最適だと分かった。コメディータッチの温かなホームドラマに仕上げていきたい」と述べた。
放送は今年10月1日~来年3月30日までを予定。1~2月にかけて芸能プロダクションからの公募によるヒロインオーディションを行い、3月にヒロインを発表する。県出身女優の起用を検討しており、宮古方言もドラマに多く取り入れるという。クランクインは5月中旬になる見通しで、NHK朝の連ドラ放送によって、宮古の全国的知名度が一層高まりそうだ。