キビ生産量 復帰後最低の可能性
沖糖宮糖 大幅下方修正へ
宮古本島製糖2工場(沖縄製糖宮古工場、宮古製糖城辺工場)が2011-12年産の当初サトウキビ生産見込み量を大幅に下方修正する方向で検討を進めている。両工場とも近く残量調査を実施する予定だが、これまでの搬入状況からそれぞれ5000㌧以上の減産が予想され、一部では最悪1万㌧以上減産するという見通しもある。両工場に加えて宮糖伊良部工場も減産を見込んでおり、宮古地区全体の生産量は最悪の場合21~22万㌧(当初見込みは24万
7000㌧)台に修正され、復帰後最低の生産量になる可能性も出てきた。
沖糖宮古工場は当初9万8000㌧を見込んでいたが、同工場では「大幅な減産になる」と予想。「ある程度予想はしていたが想像以上に悪い」と話し、厳しい現実を打ち明けた。
原料不足も懸念。今期は機械刈りが急増しているため、今後も雨天が続くと工場の一時停止も余儀なくされるという。
当初8万9000㌧の生産量を見込んだ宮糖城辺工場も「(生産量が)下がることはあっても上がることはない」と沖糖同様に大幅な減産を見込む。同工場管内においても機械刈りが増えているため、原料不足は大きな懸念材料となる。
宮糖伊良部工場は当初4万1000㌧の生産量を見込んでいたが、「4万㌧は割り込む」と見る。「キビが短く当初見込んだ生産量よりひどい状況。原料がなかなか入ってこない」と厳しい状況を説明した。
宮糖多良間工場は「今のところ当初見込んだ1万8560㌧は取れるのではないかと見ている」と話した。
今期産サトウキビは前期に比べて短く、太さも全体的に細い。収穫作業に励む農家らは、「例年と同じ労力で収穫できるキビの重量が全然違う。一つの山を作るのに倍の時間がかかっている」と話している。
不作の要因は昨年2~3月の低温や日照不足、5月に襲来した台風による葉の裂傷、7月の干ばつ傾向などが挙げられている。
過去4年間連続30万㌧台で推移してきた生産量だが今期は復帰後最低となった2004-05年期の21万㌧台まで落ち込む可能性がある。
23日現在の各工場の実績は搬入量が▽沖糖1万9326㌧▽宮糖城辺1万5028㌧▽宮糖伊良部5909㌧▽宮糖多良間1669㌧-。平均糖度は▽沖糖14・20度▽宮糖城辺13・25度▽宮糖伊良部14・48度▽宮糖多良間13・1度-。