公募段階で条例違反/市議会臨時会
ドイツ文化村の指定管理期間 議案取り下げ白紙に
市議会臨時会(平良隆議長)が30日、市平良庁舎議場で開かれた。市当局が上程したうえのドイツ文化村の指定管理者の指定について、公募段階で指定管理期間に条例違反があり、今回の指定は無効との議会の指摘を受け、当局が取り下げる事態となった。下地敏彦市長は「法令順守について職員に注意を喚起するよう指導してきたが、十分に今回対応できなかったことは、大変申し訳ないと思っている」と不手際を認めた。
当局は11月に公募を開始したが指定期間が条例とは異なるため、次善の策として今臨時会に同条例の指定期間に関する改正を求める条例を、指定管理者の指定に関する議案と共に上程した。
下地市長は「うえのドイツ文化村条例の改正(指定管理期間の変更)を行い、その後指定管理者を決定するのが妥当である」との理由で撤回した。うえのドイツ文化村の指定管理者は決定は白紙に戻り、今後再公募などを含めて検討していく。
うえのドイツ文化村は条例で管理期間が3年間と定められているが、去年11月から公募を開始した募集要項に管理期間を12年4月1日から17年3月31日までの5年で公募した。改正案はこれまでの「3年」から「市の指定する期間」に改正するもの。
臨時会は、冒頭からうえのドイツ文化村の指定管理に質問が集中した。指定管理期間の改正について長濱政治副市長は「大きな施設なので、旅行代理店などへの誘客の働き掛けや、投資を回収するのに3年では短い。5年は必要だと考えて公募した」と理解を求めた。
また、うえのドイツ文化村は起債の償還も済んでいることなどから、普通財産として賃貸という方法も考えられないかなど、指定管理者を決定する前にさまざまな活用方法を検討すべきとの質問が多く出た。
うえのドイツ文化村の指定管理者に南西楽園リゾート(髙橋洋二代表、本社・東京都港区)が23日の宮古島市公の施設に係る指定管理者候補者選定委員会(会長・長濱政治副市長)で選定された。市が支払う管理運営に要する経費(委託料)は年間2550万円だった。
現在、同施設を運営している財団法人博愛国際交流センター(理事長・長濱副市長)が今年3月末で解散することから、市では新たな指定管理者を公募していた。
選定基準は①市民の平等な利用の確保②公の施設の効用の発揮と効率的な運営③管理を安定して行う人的能力および物的能力④個人情報の適正な取り扱い-の4点で、各基準に1~3の計七つの審査項目を設定。各項目を5点満点で評価し、合計得点の最高点を獲得した同社を指定管理者候補に選定した。
指定管理者制度 自治体などが管理運営する公の施設を民間企業などに代行させる制度。宮古島市が同制度を導入し、民間などに管理運営させている施設は下地のウインディまいばま、城辺の宮古島海宝館などがある。