県立博物館・美術館移動展が開幕
5日まで中央公民館と博物館
県立博物館・美術館(白保台一館長)の第4回移動展in宮古が3日、宮古島市中央公民館を主会場に開幕した。初日から児童生徒を含む多くの市民が来場して恐竜の骨格標本や港川人の復元模型、隕石、生物の剥製など、自然、歴史、文化、芸術に関する約170点の資料を鑑賞した。移動展は5日まで。同公民館と市総合博物館の2会場で開催されている。
宮古本島で移動展が開催されるのは13年ぶり。展示されている資料の分野は▽世界の化石と輝く石▽自然▽人類▽考古▽歴史▽美術工芸▽民俗-など。
化石と石の部門では化石や水晶のほか、高さが約5㍍にも及ぶアジア最大級の恐竜サウロロフスの全身骨格標本などを展示。自然分野では八重山諸島の西表島だけに分布するイリオモテヤマネコや同諸島や宮古諸島に分布するキンバト、沖縄島北部に分布するケナガネズミやヤンバルクイナの剥製が展示されている。
人類のコーナーでは港川人復元模型、美術工芸作品では首里那覇港図屏風を見学できる。
沖縄の張り子「ウッチリクブサー」(起き上がり小法師)など玩具を並べた民俗コーナーも充実させた。
美術館部門では宮古島出身の画家・下地明増氏、下地寛清氏の絵画作品なども鑑賞することができる。
サブ会場の総合博物館では旧石器時代のピンザアブ人の化石模型ほか、県指定文化財の「宮古島下地の首里大屋子への辞令書」を確認することができる。
期間中は、関連イベントとして総合博物館で講演会が開催される。3日は「三線とはなにか」、4日は「宮古の自然は、沖縄の宝です!」、5日は「沖縄の玉製品調査の概要報告」。時間はいずれも午後3時。
開幕セレモニーで白保館長は「博物館・美術館に足を運ぶことが難しい離島の皆さんに対して、県民共有の財産である博物館資料や美術品の数々をご覧いただきたい」と移動展の趣旨を説明。その上で「3日間という限られた日程だが、多くの方に来場いただき、宮古島市の文化振興に寄与できればと思う」と話した。
下地敏彦市長は「県立博物館までなかなか行けない離島住民のために開催される移動展は本当にありがたいこと」と述べ、多くの市民の来場を呼び掛けた。
白保館長、下地市長ら関係者によるテープカットの後、園児、児童生徒を含む市民が一斉に公民館の大ホールに入場した。
来場者は、ホール中央に組み立てられた恐竜の骨格標本に圧倒されながら各展示資料を鑑賞した。一般の市民は貴重な資料の数々にくぎ付け。児童生徒はこまめにメモを取りながら歴史や文化、生物について学びを深めていた。
狩俣小4年の根間陽市君は「恐竜は、とても大きくてすごい迫力だった。いろいろな資料で昔のことも学ぶことができた。とても楽しかった」と話した。
移動展の開催時間は中央公民館が午前9時から午後5時(最終入場は午後4時30分)。総合博物館は午前9時から午後4時30分(最終入場は午後4時)。