前田国交相が来島/平良港、伊大橋現場など視察
港漲水地区再編事業 新年度で予算化目指す
前田武志国土交通大臣が5日、来島し、海上保安署を訪れ職員を激励したほか、平良港や伊良部大橋建設現場、メガソーラー実証実験設備などを視察した。市にとって長年の懸案となっている平良港漲水地区の再編事業については「何としても実現したい」と強い思いを述べ、新年度での予算化を目指す考えを示した。
前日は石垣島を訪問していた前田大臣は、海上保安庁の航空機で5日午前9時45分に宮古空港へ到着。その後、宮古島海上保安署を訪れ、栗谷美則署長らと意見を交わすとともに職員を激励した。続いては、平良港湾事務所屋上から平良港を視察。市港湾課の下地康教課長が平良港の課題や改良事業計画を、平良港湾事務所の知花包信所長が取り扱い貨物量などを説明した。
伊良部大橋は見学ステーションから工事の状況を確認。県土木建築部の当間清勝部長が事業概要や進ちょく状況などについてパネルを使って紹介した。その後、市熱帯植物園近くにある、宮古島の伝統的な木造住宅を最新技術で再現した家屋での生活体験ができる施設「かたあきの里」を訪問。昔ながらの知恵を生かした家屋の造りなどを視察した。
午後からは、地下ダム資料館、宮古島メガソーラー実証研究設備、郊外型エコハウス、バイオエタノール製造施設を視察。それぞれ担当者から施設概要や取り組み内容などを聞いた。
視察終了後、宮古空港で会見を開いた前田大臣は、平良港漲水地区再編事業の新規事業化について「意気込みは大いにある。まだ最終的な政府内での調整はあるが、何としても実現したいと思う。港が手狭になっているし、耐震性の問題もある。宮古にとっては一番の物流の拠点。重要港湾としての役割をしっかりと果たせるように予算付けもしていきたい」と、新年度での事業化へ向け、前向きに取り組んでいることを説明した。
また、今回の視察については「宮古島市が環境未来型の地域づくりをいろいろな面で取り組んでいるところを見て、非常に楽しく、また可能性を見いだすことができ感激している」との感想を述べるとともに「低炭素まちづくり法というものを今通常国会中に出そうとしているが、その法案づくりにも非常に大きな参考になった」と視察の成果を語った。
海上保安署への訪問については「海洋国家日本の領海の国益や、宮古・石垣を含めた離島の皆さんの生活の安心安全を守ってくれているので、ぜひ一度、現場を訪ねて職員を激励をしたいと思っていた。国民の期待に応えて、さらに頑張ってほしいということを伝えた」と説明した。
前田大臣の宮古視察には、国土交通省の総合政策局長や港湾局長、住宅生産課長らも同行していた。