最多は債務整理110件/法テラス宮古島事務所11年相談
刑事は窃盗、道交法違反多い
日本司法支援センター・法テラス宮古島法律事務所(所長・新畑康弁護士)の2011年の民事と刑事を合わせた相談件数は、495件となった。内訳は民事が448件、刑事が47件。民事では家事や債務整理に関する相談が多い。刑事は窃盗と道交法違反が半数以上を占めた。弁護士が法的トラブル解決の依頼を受け入れた受任件数は176件で、民事が129件(73・3%)、刑事が47件(26・7%)だった。
「法テラス」は、法で社会を照らしたい意味と、利用者がくつろげるテラスのような場所でありたい思いを込めて名付けた愛称。宮古島事務所は、弁護士の過疎解消を目的に10年9月に設置され、11年1月から弁護士2人、事務局2人体制となっている。
同事務所は、経済的に余裕のない人の場合①法律相談が無料②弁護士・司法書士の費用の立て替え-などの制度を活用しており、利用者にとってメリットは多い。同事務所では、無料で法律相談を受けられるように、訪れる人の家族の所得を確認。11年は、そうした配慮もあり約8割が無料だった。ただし、相談は原則有料で、無料相談は同一事件につき3回まで。
民事相談は「債務整理」が最も多く110件だった。「債務が多額なので、払い切れない」という内容が大半。受任した場合は、結果的に自己破産申し立てに至るケースが一番多い。一方、利息制限法を基に計算をやり直して債務を支払い可能額に減額したり、払い過ぎた金の返還請求をしたりする事例もあった。
民事相談の家事事件は102件で、夫婦間の問題が多い。離婚、子どもの親権、養育費などが一体になっている。民事は「損害賠償請求」が3番目に多く47件。「金を脅し取られたので、取り返したい」「傷害を受けたので、治療費を請求したい」などの相談があった。不動産関係は45件で土地、建物の明け渡し請求や、「土地を買ったが登記に応じてくれない」などのトラブルがあった。民事の相談件数は次いで、「債権債務」の20件、「交通事故」の19件などが続いた。
刑事受任件数は、逮捕・拘留された時点で裁判所から弁護人に選任される被疑者弁護事件が24件、裁判所に起訴された後に弁護人に選任される被告人弁護事件が20件、少年事件が3件だった。弁護人はほとんどが国選で、費用の大部分は国から支払われた。