キビ 平年より大幅減産/製糖操業から1カ月
糖度3工場とも横ばい
宮古本島内製糖2工場(宮古製糖城辺工場、沖縄製糖宮古工場)と宮古製糖伊良部工場の2011-12年産サトウキビの製糖操業は、1月11日の開始から1カ月となった。9日現在の平均糖度は3工場とも基準値(13・2度)以上だが、初日からほぼ横ばいで推移している。収量はキビの茎が平年より短くて細く、生育本数も少ないため平年と比べ大幅な減産が見込まれている。
【宮糖城辺】9日までに3万5241㌧が搬入された。昨年12月時点の生育調査によると茎長は前年同期の295㌢より62㌢短い233㌢。茎径が2・23㌢(前年2・35㌢)、10㌃当たり生育本数は6396本と前年の6680本より284本少ない。
植え付け期(10年9月)の干ばつに伴う発芽不良や11年2~4月の日照不足、生育旺盛期の同年5月に襲来した台風2号による葉の裂傷、同7月の少雨傾向-などが生育を阻害した。
11~12のキビの大束を積み込むトラック1台の平均積載量は5・6㌧で、前年の6・5㌧より0・9㌧減った。今年のキビは汁の含有量も少ないと見られ、これも減収の要因になっている。当初見込んでいた8万9000㌧の原料搬入量は、最終的にはこれを下回ると予想している。
平均糖度は13・37度と初日とほぼ変わらない。糖度区分別の内訳は13・1度以下が41・85%、基準糖度帯(13・2~14・4度)が43・63%、14・5度以上が14・52%。約6割が基準以上だった。最高糖度は16・80度(トン当たり価格2万5098円)。トン当たり平均農家手取額は2万1079円と基準額の2万1502円を423円下回った。
【沖糖宮古】原料は4万4926㌧搬入された。このうちハーベスターで刈り取った原料は1万6498㌧で全体の36・7%。同工場管内のハーベスター収穫申し込み面積は全体の6割を占めており、同工場は晴れ続きによる稼働率向上に期待している。
平均糖度は14・25度で初日の14・21度とほぼ同じ。糖度区分別の内訳は13・1度以下が15・53%、基準糖度度帯が41・03%、14・5度以上が43・45%。8割強が基準を上回った。最高糖度は17・80度(トン当たり価格2万6497円)。トン当たり農家手取額は2万1942円で基準額を440円上回った。同工場の原料も当初見込みの9万8000㌧を下回る見通し。
【宮糖伊良部】原料は1万3810㌧搬入され、平均糖度は14・64度と3工場の中で最も高い。原料に占める品種構成比は農林15号が67%と最も多く、糖度も同品種が14・9度と高い。農林15号の高品質が全体の成績を押し上げた。
糖度区分別の構成比は13・1度以下が8・60%、基準糖度帯が31・79%、14・5度以上が59・60%。9割強のキビが基準以上となった。最高糖度は17・80度(トン当たり価格2万6497円)。トン当たり農家手取額は2万2329円で基準額を827円上回った。同工場の当初原料見込み4万1000㌧も下方修正される見通し。