脳機能障害者支援など学ぶ
就労強化充実事業/稲葉氏が講話
県障害者就労支援ネットワーク強化・充実事業「障害者支援講演会」(主催・みやこ福祉会)が11日、県宮古福祉保健所で行われた。名古屋市総合リハビリテーション事業団就労支援課に勤務する稲葉健太郎さんが「高次脳機能障害者への支え方を学ぼう」の演題で講話。同障害に対する正しい理解と生活面のサポートなどについて紹介した。
高次脳機能障害とは、交通事故や頭部のけが、脳卒中などで脳が部分的に損傷を受けたため、言語や記憶などの機能に障害が起きた状態。
注意力や集中力の低下、比較的古い記憶は保たれているが新しいことが覚えられない、感情や行動の抑制がきかなくなるなどの精神・心理的症状が現れ、生活に支障をきたすようになる。また、外見上では分かりにくいため、周囲の理解が得られにくいと言われている。
稲葉さんは、高次脳機能障害者へのリハビリと一般的なリハビリの違いについて、「一般的なリハビリは『できなくなった』から『訓練』を通して『できるようにする』だが、高次脳機能障害は『できているつもり』がスタートで『訓練』を経て『できていない自分に気づくことで結果、できるようにする』ことが大切」と訴えた。
会場には医療、福祉の関係者らが多数詰め掛け、講話内容に真剣な表情で聞き入っていた。