キビ春植え始まる
行政、工場とも普及推進
宮古の各地で、サトウキビの春植えが始まっている。宮古の栽培面積は、2年1回収穫の夏植が全体の9割近くを占め、残りの約1割が1年1作の春植と株出。多くの農家は、収穫中のキビが大不作となった中で、減産分を取り戻そうと、短期間で収穫可能な春植えに励んでいるという。
行政は地下ダムの水のかん水によって春植の反収が増えたこともあり、同作型を推奨するようになった。春植は、収穫後に出てくる株の栽培(株出)につながり、夏植の苗にも利用できるなど土地利用効率を高める。
宮古製糖の安村勇社長は「年内操業は避けて通れない時代になった。生産量を増やし、年内操業に持っていくためにも春植と株出を合わせて30~40%の収穫面積が必要。今後とも春植、株出の普及を支援していきたい」と話した。
宮古製糖は、春植と株出栽培をする農家に、10㌃当たり4000円助成している。同社城辺工場管内の春、株合わせた栽培面積は2008年が177㌶、09年232㌶、10年295㌶、11年317㌶と、増加傾向にある。
池間盛勝さんは15日、城辺七又の畑でキビの苗を植えた。今ごろ植える作型は、季節にちなみ「春植」と呼ぶ。
池間さんは、昨年春に植えて今年収穫したキビの作柄が良かったため、今年も春植えをすることにした。地下ダムの水を掛けて育てた池間さんの春植は、周辺の夏植と比べても遜色なかったという。
県農業研究センター宮古島支所によると、春植はできるだけ早い時期に植えた方が良い。理由に①長い期間育てて収穫量を増やす②大きく育ったキビは干ばつや台風に強い-などを挙げる。発芽率を良くする方法として、苗は浅めに植えて、土壌を乾燥させないようにかん水をすることも助言する。