「宮古島シティ」のみ入札/マリン社ホテル棟売却
保証金4150万円入金/24日の取締役会で決定
宮古島市などが出資する第3セクター宮古島マリンターミナル(社長・下地敏彦市長)は17日、同社内でホテル棟売却処分に伴う入札を行った。この結果、宮古島シティーアンドリゾート(西里秀徳社長)1社が入札した。入札保証金4150万円の納金も確認された。マリンターミナル社は今月24日に取締役会を開いて買受人(落札者)を最終決定する。来月上旬には売買契約を締結し、今年度中に残代金の決済と引き渡しを完了する方針だ。
入札は午後3時から午後3時30分まで行われ、宮古島シティーアンドリゾート以外の入札はなかった。
マリンターミナル社は今回の公募から取り入れた入札保証金について「証明書が発行されており通帳でも確認した」と説明した。その上で「今後は、書類審査をはじめ要件を満たしているかどうかを精査し、最終的には24日の取締役会で吟味して落札者を承認することになる」とした。
多額の累積赤字を抱える同社は経営再建に向けてホテル棟の売却を決定。2008年から買取希望企業を公募してきた。しかし、候補企業を決定しても買取の辞退や契約保証金が入金に至らないなどが原因で売却には至っていない。
この経緯を踏まえ、今回は入札条件に保証金の納金を導入した。「入札保証金の導入により、買うという強い意思を持った企業を絞り込める」(下地社長)という狙いがあった。
結果として1社が買い取りの意思を示し、ホテル棟の売却に向けて一定のめどが付いた形だ。落札者を最終決定する24日の取締役会が注目される。
ホテル棟最低売却価格は8億3000万円(土地6400万円、建物7億6600万円)。この金額の5%が入札保証金だった。
入札条件は①本社の住所が宮古島市にある会社②引き続き雇用を希望する従業員は採用③少なくとも10年間、宴会場は客室などに変更しない④ホテル棟は5年間の転売禁止-など。