4、5月に主航路部工事/伊良部大橋
1個1500㌧の箱桁架設へ/3月末進ちょく84%見込む
県が進める伊良部大橋建設工事は今年の4~5月に、長山水路の上を通る所(主航路部)に鉄製の箱桁を架ける工事に入る。箱桁1個の重さは、約1500㌧。架設には、4000㌧のつり上げが可能な巨大クレーン船を使う。2006年に始まった大橋建設は、この工事で最大のヤマ場を迎える。総事業費365億円ベースの今年3月末までの進ちょく率は、84%(約306億円)を見込む。供用開始は14年3月末を予定している。
クレーン船の大きさは、長さ120㍍、幅44㍍。65㍍の高さまで、つり上げる能力があるという。
橋脚の工事は、計画している508基中、主航路部の2基だけを残し、48基が完成した。
主航路部の橋脚間は、180㍍。最も高い所が、33㍍。ここに3個の鉄製箱桁を組み込む。箱桁は現在、本土の3カ所の工場で製作中。箱桁を積んだバージと、クレーン船を現場までえい航し、海上からつり上げて設置する。同工事は、宮古における今年最大の見物となりそうだ。
主航路部の箱桁架設完了後の9月からは、伊良部側での箱桁架設工事に入る。鉄筋コンクリート製の同箱桁は、主航路部を通して伊良部側まで運ぶ。
宮古島側の取り付け道路2070㍍の工事も、着々と進められている。完了は橋と同じく、14年3月末を予定している。
伊良部大橋(一般県道平良下地島線は)は、宮古島と伊良部島を結ぶ6500㍍(本橋部3450㍍、海中道路600㍍、取付橋りょう170㍍、取付道路2190㍍)の離島架橋。伊良部島が離島ゆえに医療や教育、福祉面などで不便を余儀なくされている状況や、過疎化の進行、産業の衰退など同島の諸問題解決を目的に実施している。
箱桁 道路部分となる橋の上部工。軽くするために、空洞を設け箱の形にしている。伊良部大橋の場合、鉄筋コンクリート製の箱桁は強い強度の鉄線を束ねたPC線で連結している。