11年は5321人 入館/地下ダム資料館
ダムの構造など紹介
城辺福里にある宮古島市地下ダム資料館の2011年の入館者数は、5321人に上った。前年と比べ452人(9・2%)増えた。入館者は団体観光客や、行政関係視察、地元小中高校生、民泊の修学旅行生などが多い。展示物では目に見えない地下ダムの構造や建設技術、かんがい効果などが分かる内容になっている。
資料館の概要説明パネルは1971年の大干ばつから、福里地下ダムが完成した2000年までの事業経過を紹介。「水無し農業からの脱却」を目指した宮古の人々の思いなどを伝えている。
全国の地下ダムの建設事例を見ると総貯水量は宮古島市福里の1050万㌧が最も大きい。2位は同じく砂川の950万㌧。本土にも地下ダムはあるが、規模は1万㌧台~180万㌧と宮古と比べると小さい。
玄関ロビーの地下ダム模型は、断面構造や雨が地層に浸透していく様子、ファームポンドへの揚水、スプリンクラーによる散水の様子を光の動きで表現した。
地下ダムからファームポンドまで水をくみ上げるイメージを体感してもらうユニークは「人力ポンプ」のコーナーもある。
宮古の農業のコーナーには特産品として黒糖やマンゴー、パパイアなどを展示した。
地下では宮古島の地層の断面を模型で再現。地下ダムの建設工事に使った実物のドリル(3軸オーガー)も展示した。
16日同館を視察した農林水産省の小倉健一郎調整係長は「地下ダムは目に見えないが、その構造は仕事上理解している。ただ東京の図面より、こちらに展示されている立体(模型など)を見る方が分かりやすい」と感想を語った。
同省農村整備官補佐の井雄一郎さんは1991~94年まで当時の宮古農業水利事業所に勤務し、城辺比嘉にある容量4万㌧の仲尾峰ファームポンドの建設を担当。「当時の国内のファームポンドの容量は5000㌧程度が一般的だった。これの8倍もある大容量のファームポンドは宮古が先駆けとなった」と強調した。
月別の入館者数は10月の623人が最も多かった。11月の607人、7月の605人、5月の579人などが続いた。
開館時間は夏季(4~9月)は午前9時30分~午後6時15分。冬季(10~3月)が午前8時30分~午後5時15分。休館日は毎週月曜日と年末年始。入館料金は一般個人が300円、同団体250円、学生個人200円、同団体150円、児童・生徒個人100円、同団体が50円となっている。
地元の小中高校生は学習を目的に学校から申請があれば無料で入館できる。