進学、大会参加を支援/県議会2月定例会
県が宿泊施設建設へ
【那覇支社】県議会(高嶺善伸議長)の2月定例会は22日、代表質問が始まった。一番手に登壇した宮古島市出身の池間淳氏(自民・浦添市区選出)が離島振興に関連する沖縄振興一括交付金の使途についてただしたのに対し、仲井真弘多知事は答弁で「離島、へき地出身高校生の寄宿舎も含めた複合施設として、離島児童・生徒支援センター(仮称)を計画しており、早期実現を目指し取り組む」と明言した。
同センターの建設構想案は当初、高校のない小規模離島の生徒が親元を離れて沖縄本島の高校へ進学する際、家賃などの経済的負担を軽減することを目的として、沖縄本島内に県が運営する生徒向け寄宿舎を設置することなどが検討されていた。
池間氏のほか宮古島市区選出の奥平一夫氏(社大・結)、座喜味一幸氏(自民)、多良間村出身の糸洲朝則氏(公明県民会議)や離島出身の県議、美ぎ島美しゃ市町村会関係者からは高校生のみの寄宿舎機能だけでなく、難病治療のために通院する児童や、宮古、八重山地域から文化・スポーツ大会に出場する児童生徒の宿泊施設も設けるべきとの声が上がっていた。代表質問答弁で仲井真知事は、これらの要望を踏まえて離島と沖縄本島の格差是正に取り組むことを表した。
同センター建設に関係する予算案は、今定例会には提出されていないことから、使途が決まっていない沖縄振興一括交付金の残額分で補正措置し、臨時会または6月定例会で調査費などを計上するものと見込まれる。
池間氏はこのほか離島振興の具体策について質問したのに対し、仲井真知事は「県立宮古病院の改築や専門医による巡回診療実施など離島医療体制の充実、小規模離島の介護サービスの事業運営に対する支援に取り組む」と答弁した。
また伊良部島の乗瀬橋建設に向けた県の取り組み策について池間氏が質問したのに対し、当間清勝土建部長が答弁し、2012年度内に概略設計、予備設計を実施し、2013年度に新規事業として着手することを明らかにした。