「宮古島シティ」に決定/マリン社ホテル棟売却
8億3000万円で落札/3月23日に明け渡しへ
宮古島市などが出資する第3セクター宮古島マリンターミナル(社長・下地敏彦市長)は24日、臨時取締役会を開き、ホテル棟の売却先に、宮古島シティアンドリゾート(西里秀徳社長)を決定した。落札額は、最低売却価格と同額の8億3000万円。3月9日に売買契約を締結し、同23日までの代金決済と、ホテルの明け渡しを予定している。
取締役会後記者会見した下地社長は今後、ホテル棟売却益の8億3000万円を債務返済に充てて、会社再建を図る手続きに入る方針を説明。ただ、20億円余の借金を同売却益の充当だけで無しにする手続きに債権者が納得しなかった場合は、解散もあり得ることを示唆した。
シティ社が再度の公募で売却先に決定したことに関しては、前回は融資先の金融機関が東日本大震災の沖縄旅行への影響を懸念していたが、今回これが払拭されたためではと推測した。
下地社長は、ホテル棟の売却に当たっては「従業員が路頭に迷わないように」との思いを強く持っていたという。職員の継続雇用がほぼ決まり「ひと安心」と安堵の表情を見せた。
ホテル棟売却手続きは公募で行われ、17日の入札にはシティ社だけが参加していた。売却先に同社を決めた理由に、公募要項に記載されている書類に不備がなかったことを挙げた。
多額の累積赤字を抱える同社は経営再建に向けてホテル棟の売却を決定。2008年から買取希望企業を募集してきた。下地社長は「長い間もつれ、ほぐすことのできなかった糸が、債権者を含め説明することによって理解を得ることができた」と感想を語った。
今後の主なスケジュールは▽売買契約と契約保証金4150万円の納付(3月9日)▽残代金の決済とホテル棟明け渡し(3月23日)▽株主に対する説明会(3月下旬)などを予定している。