イモ計画が本格始動
「6次産業化」目指し
宮古島産甘藷プロジェクト推進協議会が27日、発足した。行政、かんしょ研究会、観光業、菓子店、経済界の代表らが委員に委嘱され、会長には万国医療津梁促進事業事務局プロジェクトマネージャーの洲鎌孝さんが就いた。第1回協議会では宮古島産甘藷の生産実績などを確認しながら、その可能性を探った。講演した財団法人いも類振興会理事長の狩谷昭男さんは「(宮古島における)甘藷の歴史と文化に誇りを持って取り組んでほしい」と述べた。
同協議会は、市の宮古島産かんしょ6次産業化基本方針に基づいて設置。甘藷の安定生産供給体制および他産業との連携を図る第6次産業の確立を目指す。日本最古の伝来地として宮古島のイモ文化を再認識しながらプロジェクト計画を策定し、実行に移す。
生産計画によると10年後の2021年度には面積95㌶、収量2100㌧、生産額は2億7300万円を目指している。
協議会に先立ち講演した狩谷さんは、世界、日本におけるイモの動向を報告しながら、その限りない可能性に言及。甘藷振興に関するポイントとして▽甘藷振興の戦略づくりと実施計画の策定▽商品化する甘藷品種選定試験の実施▽土壌診断に基づく栽培法の確立▽マーケティング▽経済行為に関わる場合の生産者と加工業者の共存-を挙げた。
その上で狩谷さんは「砂川親雲上旨屋(うるかぺーちんしおく)は大恩人。先人に対する感謝の気持ちと宮古島産の甘藷が宝であるという利益を市民が共有することが大切」と話し、宮古島におけるイモ文化の再認識を訴えた。
委員は次の通り。
【会長】洲鎌孝(万国医療津梁促進事業事務局プロジェクトマネージャー)【副会長】上地廣敏(市農林水産部長)▽砂川恵助(宮古島商工会議所専務理事)【事務局長】村吉順栄(市農政課長)【委員】狩谷昭男(財団法人いも類振興会理事長)▽仲宗根盛和(県宮古農林水産振興センター所長)▽上地雅巳(かんしょ研究会会長)▽砂川恵俊(同副会長)▽佐和田恵正(同伊良部地区)▽林祐司(伊藤忠食品ギフト営業本部営業第三部長)▽若林昌英(LOHAS DINING代表)▽赤崎隆三郎(NPO地域交流センター琉球地域研究員)▽知念正栄(日本中国料理協会沖縄県支部名誉相談役)▽宮城正明(南国食楽ZU社長)▽伊波孝市(JAおきなわ宮古地区営農センター長)▽池間隆守(宮古島観光協会専務理事)▽田場秀樹(市教育委員会教育部長)▽奥原一秀(市観光商工局長)
宮古島産かんしょ6次産業化 第1次産業(甘藷生産農家)が第2次産業(甘藷加工業者など)や第3次産業(甘藷商品販売店、観光ホテルなど)に進出したり、これらと連係したりして1×2×3=6次の産業になることをいう。