「宮島小の存続を」/市教委に要望書提出
島尻自治会など/学校統廃合を懸念
過小規模校・宮島小学校がある島尻自治会の仲里長造会長らは19日午後、宮古島市教育委員会に川上哲也教育長や下地由子委員長らを訪ね、同校の存続を要望した。市学校規模適正化検討委員会の中で議論される学校統廃合を懸念し、「小規模校のモデル校的存在として存続を」と訴えながら統廃合に反対する要望書を提出した。川上教育長、下地委員長ともに「検討委員会で議論していきたい」と述べるにとどめた。学校統廃合に関する各地域の反発は強く、同会の要望は他地区の動きに影響を与えそうだ。
市教委は規模適正化検討委の設置を受けて大神、宮島、宮原、福嶺、来間の小規模校で教育行政懇談会を開催してきた。この席で川上教育長は「統廃合ありきではない。白紙の状態」として意見を求めているが、地域住民は適正化検討委の審議事項に「規模適正化を図るための学校統廃合に関すること」と記載されていることに強い危機感を示しながら統廃合に反発、一部では議論がかみ合わない状況が続いている。
宮島小の存続を求める要望には島尻自治会をはじめ青年会、宮古南静園、同園入園者自治会、同校PTAも賛同している。要望の席で仲里自治会長は「地域活性化のために学校はどうしても必要。そういうポジションにある学校をぜひ存続させてほしい」と訴えた。
同校PTAの辺土名忠志会長は「宮島小には平良市街地や本土からの転入があり児童数は増える傾向。地域もそのニーズに十分応えられる。宮島小に通う子どもたちの表情は豊かになる」と話し、小規模校ならではの教育環境を紹介して強く存続を求めた。
ほかのPTA役員も存続を要望。「どこまでも地域に密着した課外授業など、これに勝る教育はない」「自然の中で教育を受けられる宮島小はモデル校として発展できる」などと学校に対する切実な思いを訴えた。
要望書には学校存続要望ほか▽充実した教育環境の構築▽住環境整備による児童数の増加-など地域で取り組むべき課題も記載。学校存続に向け、自治会としても地域の活性化を図る決意を示した。
これらの要望を受けて川上教育長は「要請の内容は分かる。適正化検討委員会で議論したい」と一定の理解を示しながら回答。下地委員長は「この要望を重く受け止め、検討委員会で皆さんの気持ちを伝える」と話した。
学校統廃合問題に揺れる小規模校とその学区内の地域住民。おおかたの住民が学校存続を訴える中で、より良い学校教育環境の推進を図る市学校規模適正化検討委員会の議論が注目される。