市と保里二区が基本協定/新ごみ処理施設
建設へ周辺住民の理解進む
2015年度の供用開始を目指す新ごみ処理施設建設で、宮古島市(下地敏彦市長)と平良の保里二区自治会(山里茂会長)がこのほど、同施設建設に関する基本協定書を締結した。施設周辺で暮らす住民の理解が進む中、懸案の新ごみ処理施設建設事業が本格的に動き始めている。
1日午後、両者代表が会見を開き、新しい処理施設の建設に伴う安全対策および地域振興に関する基本協定書の内容を示した。
協定書では「施設の建設に合意する」と明記。その条件として①公害防止協定②保里二区自治会が要望する地域振興に関する本協定の締結-を決めた。
地域振興策の実現も条文化。協定締結時点で実現できる事項は速やかに推進とする文言も添えた。
環境整備関係では▽ごみの搬入出道路のルートは施設の北側とする▽施設の建物および煙突はできるだけ北側寄りに配置する▽外観は市の景観条例を順守する-などを盛り込んだ。
協定締結に当たり下地市長は「保里二区自治会の協力を得て、建設できる方向になった。理解していただき感謝している。保里の振興策については、市としてできるものに取り組みながら住民の利便性を高めていきたい」と話した。
山里会長は「苦渋の決断により合意した」と苦しい胸の内を吐露。一方で「市が話し合いを持ってくれたことはありがたい」と市の対応に感謝した。その上で①地域住民が安心して暮らせる住環境の整備②外観および景観に配慮した施設設計-を要望した。
市は、12年度当初予算案に新ごみ処理施設建設事業費として10億3900万円を計上。同年度中には焼却炉棟・プラントの実施設計および発注を済ませる予定で計画を進めている。建設場所は、既存のごみ処理施設と併設されている現し尿処理施設の跡地。