177人が職業観養う/11年度ジョブシャドウイング
65事業所が協力
第2回宮古島市グッジョブ連携協議会(会長・長濱政治副市長)が2日、市役所平良庁舎で開かれた。協議会メンバーらは2011年度に平良第一、鏡原、狩俣の3小学校と鏡原中学校の計4校で行われたジョブシャドウイングの取り組み実績を確認し、成果や課題について意見を交わした。
働く大人の仕事ぶりを児童・生徒が観察することで職業観を養うジョブシャドウイング事業。今年度は平良第一小学校6年生99人、鏡原小学校5年生29人、狩俣小学校4~6年生15人、鏡原中学校1年生34人の計177人が参加。市内の65事業所が児童・生徒の受け入れに協力した。
協議会では、担当コーディネーターが、事前学習やジョブシャドウを終えての発表会など、各学校での取り組み内容を紹介。成果としては、受け入れ企業や経験ある事業所が増え事業の説明や事務連絡の連携が取れたことや、校内研修を実施したことでジョブシャドウの意義について共通理解を図れたこと。課題としては、忙しい学校現場との連絡調整が難しく連絡ミスが起きたことや、当日の送迎に遅れが生じ事業所に迷惑をかけたことなどを挙げた。
事業を行った学校の校長らは「日程調整が厳しかった」という声のほか、「大人が働く職場を見ることで、今勉強していることが将来、仕事につながるということを感じられたのではないかと思う」や「父母の仕事について家族で話しをするきっかけとなった」といった意見が上がった。
そのほかのメンバーからは「職場体験を行う前に職場を観察していくことは貴重な体験になると思う」、「子どもに見てもらうことで、仕事内容を伝えようとする思いから、大人も自分の仕事に対する意識が高まる」などの意見が出された。
長濱副市長は「感受性の高い子どもたちが、大人の仕事ぶりを実際に見ることを良いこと。将来、島を離れて就職することを考えると早い機会での取り組みが必要」との考えを示した上で「今年度の取り組みで反省すべきところは反省し、より良い方向を目指して次年度も取り組んでいきたい」と語った。
2012年度は西辺中学校、鏡原中学校、狩俣小学校、鏡原小学校、宮原小学校の5校で同事業を実施。ただし鏡原・宮原小学校は合同で行う。
ジョブシャドウイング 児童・生徒が働く大人に影(シャドウ)のように密着し、その仕事ぶりを観察するもの。実際に働く大人に接し、その働く姿勢から子どもたちが職場の空気を実際に感じ取ることで、子どもたちの職業観などを養い、進路選択の幅を広げることが目的。